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人権と言う免罪符。

 クルド問題に動きが見えだした。


 鈴木法相とトルコ大使との会談でトルコ国籍の不法滞在者が多い事が問題だとあげて、彼らへの法的処置の強化を話し合ったと言う記事がネットや新聞に出ていた。また、クルド人のヤード(産廃置き場)に機動隊が入り、摘発が始まった。今後この動きで世論がどうだろう変わって行くのかが見物である。


 そもそも、クルド人問題が表面的に出始めたのは埼玉川口市民からの投稿、告発がはじめだった気がする。はじめはよくある外国人トラブルで地元住民との軋轢の様な内容だった。「ゴミ出しのマナーが悪い」「解体業者の危険創業」「トラックの過剰積載」「病院前での暴動」「喧嘩」そう言った報告がネットを中心に上がってきたが世論はそれを外国人差別と一蹴し相手にしなかった。国営放送までも、心無い日本人の身勝手な投稿、フェイクニュースによる風評被害と報じた。


 そんな中でも市民の声は消えず加熱した。


 石井孝明氏をはじめとするジャーナリストも動き始め、更に加熱していく。その中で仮放免や偽装難民、不法滞在者と言う言葉も乱発した。世論はそれに対しても、レッテルだの差別だのと抵抗をみせるが、市民の声は止まない。なぜなら、トラブルそのものは確実に存在し現在進行系で起きていたからだ。そして、そのクルド人の代表的な存在だった男が強制送還される。彼は以前から難民を名乗りながらも、裕福な暮らしを自慢する投稿を続け、また、テレビやメディアに出た時も傲慢とも言える態度で、「日本人が我々に合わせるべき」と発言をし、つまり評判が悪かった。


 そんな男の強制送還から、事態は好転し、世論はクルド人擁護から不法滞在者の排除へと変わりだした。


 僕はこの流れに、かつてのオウム真理教問題の時のメディアの流れを重ね合わせた。


 宗教の自由、信仰の自由。その権利、人権の壁が世論の目を曇らせて、危険集団の実態の把握を遅らせた。


 はじめは宗教にハマった若者、子供達が家にかえらない。そんな子供達の保護者の声やある日突然街に現れた新興宗教団体への違和感と言った市民の声を一部メディアが報じるが世論はそれを信仰の自由の侵害と一蹴し野放しにした。


 その結果坂本弁護士と言う尊い犠牲が生じ、松本、地下鉄サリン事件へと発展してしまった。


 今回のクルド問題でも、石井孝明氏に殺害予告があったらしいが、未遂に終わり、テロも起きなかった。(PKKと言うテロ組織の暗躍も騒がれていた)


 これは、メディアの多様性と発達の勝利だと思う。


 勿論アンダーグラウンドなネットの世界には嘘も溢れて、当初言われていた外国人差別を助長する様なふざけた投稿も存在する。それに関して我々は見る側、発信する側としての責任を取らなければならない。


 今回のクルド問題。そして、前のオウム真理教問題も人権がテーマになる課題である。人権保護は確かに大切な人類の財産だが、その人権を免罪符に全てを許してしまっては社会は崩壊する。人権とは何であるか?誰かの人権を守る事で別の誰かの人権が侵害されるのであればそれは人権保護とは言えない。


 僕らはこれからこの課題と強く向き合って行かないと行けないのかもしれない。

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