序章。馬鹿のこぼす言葉。
僕は、バカである。
子供の頃嫌いだったのは、読み書きと、計算と、ナメクジとマヨネーズである。
ナメクジと、マヨネーズは、別に嫌いでも生きていけるが、読み書きと計算は、死活問題である。仮にも先進国、文明のるつぼたる、この日本国に生まれ生きている以上は、漢字の一つ、算数の一つも出来なければ生きてはいけまい。
三つ子の魂百まで。そんな言葉があるが、その魂が怠けていたから、僕は、未だに、割り算が出来ない。円周率が言えない。ジュゲムジュゲムが言えない。つまり、もの知らぬ無知である。
三つ子の無知百まで。
上手い。座布団一枚。
自画自賛。
まあ、それでも、馬鹿なりに、頑張りましたよ。底 辺だけど高校は、卒業したし。
人気はないけど、日本で一番古いタイヤメーカーの工場で正社員で働いてるし。
30超えて、彼女無しで、実家暮らしだけど、ちゃんと月5万は、家賃いれてるし、この間なんか、大阪までオヤジとオカンを旅行に連れて行きましたよ。
そんな事、大人なら、誰でもするって言われるかも知れんが、出来る事だからこそ、全力でやって来た。と、思う。
サラリーマンは忍耐だと思う。同期入社の上司や、年下の奴に、「やい、タマ」と呼び捨てにされようとも、キレず、怒らず、ふて腐れずに、14年勤めてきた。
出世もせず、転職もせずに、14年よくも、続いたとおもう。
惨めな思いも沢山した。
悔しい思いも沢山した。
それでも、コツコツ働いて、沢山儲けた。
スゲーだろ、馬鹿でも、動くか、耐え忍んでいれば、それなりに金はたまるんだぜ。
最高にカッコいい奴は、最高に惨めな奴だ。
安心しな、負け犬以下にはならないさ。男は、みんな狼だからな。
ふと、そんな言葉を吐きたくなる。
きっと、松田優作みたいなカッコいい男が言えば似合うそんな台詞だが、決してカッコよくない僕だけど、ヤッパリ、言い訳でもいいから、そう叫びたい。
自分自身だけでも、自分を認めてやらないと、人は、多分ダメになる。
そう思う。
最近、つまらない理由で、街中で暴れる通り魔だか、暴漢魔だかのニュースをよく目にする。
彼らは、決まりきったように、「誰でもよかった。人生に、絶望した」などほざいているが、正直気持ちは、解る。不器用な人間ほど、他人には、どうでもいい事で躓き、傷つき、落ち込んで、やけになる。
また、自殺する輩も多分同じ様な、心境だろう。
誰も笑って気持ちよく「いざ、さらば」と言って死んで行く奴はいない。
僕もよく躓き、傷つき、落ち込んで、やけになりたくなるけれど、まあ、人生こんなもんだと諦めてしまう。
諦めは、惨めな奴のする事だと言われるかもしれないが、何もかも壊して失うよりは、惨めな夜を、ハイボールと、胡麻油で焼いた油揚げで、酔いにまかせてやり過ごす方がいい。
馬鹿は、惨めだ。だけど、生きようとするのは、知能じゃなくて、気持ちだと思う。
なんだっていい。
生きる理由なんて、後付けでいい。
さぁーて。広小路のお姉さんに、甘えにいくか。
これも、立派な、生きる理由。
こんな感じで駄文を書きつらねて行くけれど。
お暇なら、お付き合い願いたい。