第七の噂。
「ぎ、い、いぃぃぃぃぃ……
ばぁっと、いーたぁぁぁぁ!」
「ーー詰み(チェックメイト)、です」
散々痛めつけられ
おぼつかない足取りで襲いかかるドッペルゲンガーに、白夜は回し蹴りを叩き込む。
その瞬間、俺の姿をしていたドッペルゲンガーが、女子中学生に変わり出した。
右半身が俺で、左半身が女子中学生。
もはや、ドッペルゲンガーとは呼べない姿の、『女子中学生の部分』に
白夜は両手の掌を押し当て、静かに言った。
「愚者暴食」
刹那、閃光が駆け巡る。
光が治まると
そこにはドッペルゲンガー……
否、偽装鎧の能力者が
完全に本来の姿で座り込んでいた。
「こ、の……!」
「もう少ししたら、部長達が来ます。
ここでおとなしくしていて下さい」
何故か仁王立ちのまま言った白夜も
流石に疲れたのだろう。
声に覇気がない。
それから10分後、クロイツさん達が警察を引き連れて来て
ドッペルゲンガーさんは、連行されて行った。
「お手柄だったねぇ、 白夜ちゃん」
「いえ、別に」
世間話のような会話。
クロイツさんと幸樹がその他諸々の後始末にまわり
レナさんが警察に説明する。
これもまた、いつも通りの光景だ。
俺や白夜の役目はここで終了。
後は、皆に任せておけばいい。
「禊音ぉ、今回はケガしてないだろうな?
お前結構鈍臭いから心配なんだよ」
「清々しい程に失礼ですね。
……してませんよ、今日は」
「ちょっとやばかったですけどねぇ」
鈍臭いってなんだ。鈍臭いって。
超能力者と比べたら誰だって鈍臭いだろう。
そんなこんなで
俺がやっと帰宅したときには
もうとっくに、夜を迎えていた
ドッペルゲンガー編
次かその次でラストです!




