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噂噺研究部。  作者: 雨夜 紅葉
ドッペルゲンガー
4/22

第四の噂。

本題にはいります!

翌日。


「先輩、楽しい楽しい部活の時間です」


HR直後、全然楽しくなさそうな表情で

白夜が俺を迎えにきた。

静まり返る教室内。

まだちらほらと残っていたクラスメイト達の

『藍谷の彼女?』という呟きが聞こえてくる。

……断じて、違う。


だが、どこのクラスにも

空気を読まない奴は一定数いるもので。


「おい禊音ー、何、お前の彼女?」

「へー、意外。藍谷君彼女居たんだ〜」


そいつらは堂々と、シャレにならないことを言い放った。

ちょっと待てお前ら。

後で責任とれよ?


「違います。私と先輩は、恋人ではありません」


きっぱりと訂正してくれた白夜に、内心感謝した。

ここまで言われれば、変な噂は広がらないだろう。

と、思ったのが間違いだった。


「私と先輩は……婚約者ですから」


…………初耳だな。

つーか、あるわけないだろそんな設定!


「……いつから俺たちは婚約者になったんだ?白夜」

「 10年前、別荘で」

「別荘なんか行った事ないけどな」


まず出会ってすらいない。


一気にざわめき出すクラスメイト達。

これは、多分手遅れだ。

余計なことを言わないよう、俺は白夜を連れて教室から退散した。



部室にて。


「え、えぇ……?どうしたの、禊音」

「なんか、色々と疲れた……」


明日からどんな顔して登校すればいいんだ、俺は。

婚約者とか痛すぎる。

もう帰りたい気分だが、クロイツさんのやけに明るい声がそれを許してくれなかった。


「さて、今日はねぇー。

『ドッペルゲンガー』っていう都市伝説についてやるんだけど、聞いたことある?」


ドッペルゲンガー。

かなりメジャーな都市伝説だったはずだ。


「自分と同じ姿の人間が現れる現象。

諸説あるけど、基本的に見た人は死ぬらしいね」


芥川龍之介とかリンカーン大統領とかが

見たんだって。

そう言い終ると、クロイツさんは立ち上がった。


「で、最近この辺で暴れてくれちゃってるドッペルゲンガー君を退治するのが、今日の活動」

「……クロ、そんな簡単に出てくるものなのか?ドッペルゲンガーって」


次に口を開いたのは、レナさん。

もっともな意見だ。

退治……といっても、先日の『狼男(ウルフマン)』のように

決まった時間に出てくるものとは違う。

ドッペルゲンガーに、規則性があるとは思えない。

だけど。

この先の展開は、わかりきっている。


「大丈夫、俺たちには優秀な『囮』がいるじゃないか〜。ねぇ、禊音君」




次回から『ドッペルゲンガー編』開始です。

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