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噂噺研究部。  作者: 雨夜 紅葉
おわらないせかい。
20/22

人材という名の、戦力。

お仕置きタイム開始。

「先輩、部長」


千草涼成さんが逃げ込んだ居間に向かう途中

パソコンは見つかったのか、白夜が追いかけて来た。

白夜の表情は、少しだけ悲しそうに見える。

クロイツさんもそれに気付いたのか

何も言わず、居間を目指した。


「ここだね」


目で『開けろ』と合図され

俺がドアを開けると。


千草涼成が、包丁を持って立っていた。


レナさんが、脅し過ぎたんだろう。

彼の目には明らかな恐怖が浮かんでいる。


「お前達……誰なんだよ……

何故、俺を」


すると、クロイツさんが肘で俺をつつき


「禊音、自己しょーかい」

「えぇ!?俺ですか?」

「うん」


とんでもない無茶振りをかましてきた。

散々暴れといて(主にレナさんがだけど)

それはなくないか?


「普通、クロイツさんがやるもんでしょう?ほら、部長なんだし」

「禊音がやった方が面白いじゃん」


たち悪いな!


「早く」

「え、えぇ……?

えっと、噂噺研究部です……?」

「、まぁいっか。

そういうことだから、大人しくーーーー


ボコられてね?☆」


にっこりとクロイツさんが微笑めば

千草涼成さんは二・三歩後ずさる。

そう、ここからがこの人の本領だ。

なんせ、人を脅すことにかけては天才的なのだから。


「二人は少しの間、外に出ててね?

色々とほら……見ない方がいいと思うし」

「……クロイツさん、相手包丁持ってますけど」

「……ちょっと、危ないと思いますが」

「あのさぁ……」


ふぅ、と

わざとらしく溜息を吐き、クロイツさんは振り返る。

包丁持ってる人と二人きりって

普通に、止める状況じゃないのか?


「白夜ちゃんも禊音も、俺たちのこと甘く見過ぎなんだよ。

確かに、今は子供らしく高校生なんてやってるけどさー


ーーーー昔、国一つ滅ぼした人材(せんりょく)だぜ?」


器用に口角だけを上げて笑うクロイツさんに

俺と白夜は顔を見合わせ

さっさと部屋を出てドアを閉めた。

失敗。

心配するのは、涼成の身の安全だったかもしれない。


がぁん。


何かが倒れる音と

人体が床に叩きつけられる音。

そして、クロイツさんの楽しそうな声がドア越しに聞こえてきて

隣にいる白夜の肩がびくりと揺れた。


「痛かったら右手を上げて下さいねー☆」

「ぎゃあああああああ!?右手、右手折れるって!」

「あ、折って欲しいんですか?☆」

「傷害罪で訴えるぞ貴様ら!」

「いちいちうっせーんだよ。

黙ってろ虐待野郎☆」

「痛い痛い痛い痛い!!

ごめんなさいごめんなさい!」

「『ナメた口利いてごめんなさい』だろ?☆」

「鬼いいいいい!!」


……もうどっちが悪役かわかんないな。

涼成さんは許せる人ではないけれど

せめて精神が無事でいることを願った。


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