子どもなりの仕返し。
レナの出番多いです。
……場所は変わって、白夜の家の前。
部員総出で復讐するというクロイツさんの提案で、やって来た訳だ。が。
……なんで誰も疑問に思わないんだろうか……
こういうのって、まず警察に通報するんじゃないのか?
で、教育委員会とかに任せるのが普通だろ?
なんで直接復讐に来てんの?
「幸樹ー、ピッキングよろしくー」
「あ、はいっ」
色々と疑問は募るが
皆、意外とノリノリで。
いちいちツッコミ入れるのも面倒なので
黙ってついて行く。
「え、えっと、開きました」
「ご苦労様。
じゃあ、思う存分ーーーー
暴れてやろうか」
クロイツさんが、そう言った瞬間。
レナさんはドアを蹴り開けた。
……鍵開ける必要、無かったんじゃ……
「クロ。
私に暴れていいと言ったんだから
後の責任はお前がとってくれるんだよな?」
「もちろん。これでも部長だしね。
虐待を理由にどうとでも誤魔化してあげるよ」
すると、レナさんは手に持った銃を構え。
慌てて出て来た白夜の父親に向けて。
狙いもせずに打ちまくった。
それこそ、弾切れになるまで。
「ちょっ……!レナさん!?」
「禊音、白夜。
お前らはそこで黙って見てろよ?
私達だけで、充分だから。
ーーーーなぁ?千草涼成さんよぉ」
にやり。
と腹黒い笑みを浮かべたレナさんに
思わず背筋が凍った。
あのクロイツさんまで、若干ビビっている。
そして、直接真っ正面から見た白夜の父親(涼成さんだっけ?)は
顔面蒼白で逃げ出した。
「待てこらジジィ!血祭りに上げてやる!」
「レナ、ちょっと待って!一旦落ち着こう!流石に殺したらまずいって!」
レナさん
本気で、殺しかねなかった。
クロイツさんが必死なところなんて初めてみたが、その判断は絶対に間違っていなかったと思う。
それぐらい、レナさんはキレていた。
「ってアレ?
幸樹と白夜は……?」
「え、あぁ。
パソコン探しに行ったよ」
「パソコン?」
「パソコンはプライバシーの固まりだからね。弱味も満載」
……なんだ、意外と考えてたんだなぁ。
恐ろしいことを。
「レナ、千草涼成は俺が相手するから
警察対策だけしといて。
絶対、家の中入って来たら駄目だよ。ね?」
「……わかった」
クロイツさんの説得により
白夜の父親の生命『だけ』は守られた。
プライバシーはだだ漏れっぽいけど。
「途中で白夜ちゃんと合流して
千草涼成を制圧する。
そこで俺の分の仕返しは終わった訳だから
あとは、白夜ちゃんの勇気と覚悟次第だね。
行くよー、禊音」
「……はい」
俺とクロイツさんは、半壊した玄関に
足を踏み入れた。
「クロ」「レナ」ってやり取りが
結構気に入ってたり(笑)




