世界が終わる時。
シリアスでっす。
コツ、ン。
「……!」
一歩、また一歩と
白夜の元へ近づいていく。
「話、聞いてたんですか……!?
早く、帰って下さいっ!」
もしかしたら本当に殺されるかもしれないのに
驚く白夜を珍しいと思えるほど
俺には、余裕があった。
コツ。コツ。
「っ、本物の馬鹿ですか貴方は!」
震える声で白夜が叫ぶと
俺の足元のタイルが深いヒビが入る。
それでも、ただ前へ。
「来ないでって言ってるんです!
私と貴方は、なんの関係もないでしょう!?」
ーーーー関係ない?
悪いけど
そういう訳にも、いかないんだよ。
コツ。
「ーーーーーーーーーっ!!」
さらに一歩、進む。
すると、白夜の肩が大袈裟な程揺れて。
刹那。
「……っ」
全身に鋭い痛みがはしり
生温かい鮮血が流れた。
ゆっくりと自分の身体を見下ろすと
腕や足、腹部など
いたるところが裂かれている。
頬を伝う液体の感覚が、気持ち悪い。
「……ぁ、」
そんな俺の姿を見て
白夜は、悲鳴じみた声を漏らした。
その目に写っているのは、深い後悔と。
確かな恐怖。
「せん、ぱ」
「白夜、ちゃんと聞け」
もう俺と白夜の距離は、三メートルもない。
正面に立って手を差し出すと
白夜は驚き、目を見開いた。
「……っ、いいんですか?私は、化け物ですよ?触れた瞬間、さっきみたいに傷つけるかもしれないのに」
「別に、怪我くらい構わねぇよ」
「……今度は、殺すかもしれませんよ?」
「……そうかもな」
「、なんでっ……なんで!帰ってくれないんですか!私は、貴方を、これ以上……!
」
拳を握りしめて、白夜は叫ぶ。
こいつが何に怯えているのか、俺にはわからないけど。
不思議と、放っておく気にはならないから。
「俺『達』はお前から逃げない。
だから、お前も逃げるな。
……居場所がないなら作ってやる。
ーー帰ってこい、白夜」
しばらくの静寂の後、おずおずと手に体温が触れて
思わず笑みを浮かべながら引き起こす。
捨て猫を拾ったような気分だった。
「……何、笑ってるんですかー?」
「ん……なんでもねぇよ」
それとほぼ同時に
役目を終えた『世界』が、段々と崩壊する。
薄れていく意識の中で
「 」
白夜の声が、聞こえた気がした。
クロイツファンの皆様、お待たせしました!
次回からサブキャラ三人集の出番です(笑)




