真実と警告。
禊音をかっこ良く、白夜を可哀想に
を理想としたんですけどね……
やっぱり難しいなぁ(今更)
「……どこだよ、ここ」
「三次元空間に作った『新しい三次元空間』の中です」
「それって、」
「世界の中に世界を作ったってことです。
能力名は『終末世界』……やれば出来るもんなんですね」
白夜は、緋色の目を僅かに細めて言う。
その横顔は、いつもとは違う
作られた無表情。
「……何してんだよ、お前。
皆心配して」
「父は」
「私の父も、心配してましたか?」
唐突に振り返った白夜の顔ーー今まで見えなかった右側を見て、息を飲んだ。
眩しい程の夕陽に、包帯が巻かれた右目が照らし出される。
昨日は無かった傷が、そこにはあった。
「お前……!」
「あぁ、これですか。
大した怪我じゃないですよ。じきに治ります」
包帯に触れた左手にも、薄紫に変色した痣と、人間の手形が残っていて。
何があったのかなんて、聞かなくても解った。
「虐待、って思ってていいのか?」
「まぁ……そうなんですけどね。
正確に言えば、『罰』です」
白夜は、傷だらけの体を隠すように
羽織った白衣を引き寄せる。
同時に、俺の後ろにある
掃除ロッカーが弾け飛んだ。
これは、きっとーー
「警告です、先輩」
「帰って下さい。……私のことは、忘れて下さい。この先、貴方を
傷つけない自信がありません」
「白夜……」
「部長とかに頼まれて来たんでしょう?
そんな理由で、壊されたいんですか」
「……」
「迷惑なんです、貴方の存在は。
これ以上一緒に居ると、『私』が『私』じゃなくなってしまう……!」
声と比例して
白夜の周りにある机や椅子が破壊されていく。
ぞわりと、背筋が凍えた。
それでも、俺は。




