自由なら
久しぶり(?)の投稿ですー!
「行方、不明……?白夜が?」
「ら、らしいよ……無断欠席、してるんだって」
部室に行った俺を待っていたのは
イライラしっぱなしのクロイツさんと
キレ気味のレナさん。
そして、泣きそうになっているーーー
というかすでに泣いている幸樹だった。
白夜の姿は、ない。
「風邪とかじゃないのか?」
「……、それはないよ」
荒々しくカップを机に置いて
クロイツさんが口を開く。
「昨日から家にも帰ってないんだってさ。
……なにかに巻き込まれた、とも考えられるけど
多分、自分から失踪したんだと思う」
「昨日って、」
「猫探しの後、お前と一緒に帰っただろ。
なんか言ってなかったか?
父親がうざいとか」
「……はい?」
白夜のことは心配だ。
確かに、帰り道様子はおかしかったし
なんの理由もなしに、家出するような奴には思えない。
心配……なのだ、が。
その前にこの二人の苛立ち具合が怖いので
俺の背中にしがみついて震える幸樹に、小声で尋ねた。
「なぁ、なんであんなにイライラしてんの?」
「う、さっき。クロさんが
白夜ちゃんの家に電話したらね、白夜ちゃんのお父さんが出て『子供が出る幕じゃないんだよ。おとなしく引っ込んでなさい』
……って、言われたから、その」
「……あぁ」
それだな。
思いっきり挑発にのった気がするが
まぁ、あの二人に喧嘩売ったなら相応の覚悟をしていることを祈る。
相変わらず白夜からはなんの連絡もない。
忘れがちだが、あいつは超能力者。
どんな理由があるにせよ、本気で隠れられたら見つけるのは難しいだろう。
少しでも痕跡が残っていたのなら
もう幸樹が見つけているだろうし。
いや、そもそも
探していいものなのか?
もしも白夜が、全てを捨てたがっているのなら
これ以上干渉するのはーーーー
「良いんだよ」
俺の心を読んだかのように(もしかしたら本当に読心術使ったかもしれない)
レナさんは迷いなく言う。
「可愛い後輩を心配して何が悪い。
猫探しと一緒だよ。心配だから探す。失いたくないから探す。
……失踪するのも自由なら
探すのだって自由だ」
……本当に、男前というか……
女の人なんだけどなぁ。
この人の言葉には、妙に説得力がある。
「……っていうかさ」
と、まだイラついているクロイツさんが
呆れた様子で、手にしたペンの先で俺を示す。
丁度真南にきた太陽が、窓の外から
部室内を照らし出した。
「この中で白夜ちゃんを見つけられるとしたら、一番可能性が高いのは君なんだよ。
なんのために、今まで『囮』やらせたと思ってんの?」
「、え」
「世界中の誰より君は
超能力者を引き寄せる。
だから、生き延びる術として
『超能力者の存在』を察知することに長けている……」
口角だけを器用にあげるクロイツさん。
一瞬で張り詰めた空気の中
これから言われるであろうことに、俺は身構えた。
俺を真っ直ぐに見ている、全員と目が合って
ここにいない一人を思い浮かべる。
「仕事だよ、禊音。
『愚者暴食』千草白夜を探しだす。
まぁ、つまりーーーー」
「猫探しならぬ、後輩探しってね」
クロイツさんが言ったような特技なんてないし、欲しくもないけれど
素直に頷いて、俺は外に出た。




