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噂噺研究部。  作者: 雨夜 紅葉
おわらないせかい。
13/22

さようならの儀式。

サブタイトルこの話から変えましたー。

『○○の噂』ってちょっと安直な気がしたので(笑)

「つーかお前、いつまでついて来る気だよ……」

「んー、内緒です」


喧騒が遠くに聞こえる郊外まで来たのに

白夜はまだ帰ろうとしない。

それどころか妙に楽しげで

……調子狂うな。


「先輩の家こっちの方だったんですね。

覚えておきます」

「なんでだよ。……まぁ、いいけど」


いつもの無表情が嘘のように、白夜がクスクスと笑う。

どこか、無理矢理な笑顔。


「……お前、なんかあったのか?」

「、どうして、です?」

「なんとなく」

「……何もないですよ。

それより先輩、好きな人とか居ないんですか?」

「はぁ!?」


体良くあしらわれたことに

何かあったのはすぐに察する。

だが、『言いたくないのなら』と。

あまり深くは問わなかった。


「先輩鈍いですからねー。恋とか縁なさそうですけど」

「さりげに失礼だな」

「……冗談ですよっ」


白夜は、目一杯笑って言った。

まるで、卒業式の集合写真のような

寂しさを押し殺した笑みで。




そして、その翌日。


白夜は行方不明になった。


あの笑顔は

白夜なりの、別れの儀式だったんだと

……今更、気付いた。




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