表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
噂噺研究部。  作者: 雨夜 紅葉
おわらないせかい。
11/22

第十一の噂。

じゅういち、って嫌な数字ですねぇ。

割り切れない……

「今日は、重要な仕事があるんだよ」


さっきまで爆笑していたくせに

急に真剣な表情をして、クロイツさんは言う。

残念なことに、信憑性はない。


「クロ……

あれって重要な仕事なのか?」


多分、大した仕事(こと)じゃない。

そんな緊張感皆無の空間で

クロイツさんだけが、至って真面目に

話を続けたけれど


「で、仕事の内容はーーーーーー」




「猫探し☆」

「「え?」」


やっぱり大したことなかった。

『猫探し』

……売れない探偵のイメージしかないな。

都市伝説どころか、噂話すら無関係。


「え、えぇっとぉ……

なんで、そんなことに……?」

「何ー?幸樹、それ聞いちゃう?」


腹黒い笑みを浮かべたクロイツさんから

幸樹は涙目で逃げる。

だがすぐに捕まって

ヘッドロックを極められた。

……何をやってんだか。


「く、苦しい、苦しいですクロイツさん……!」

「んー?聞こえないなぁ」


俺だってやりたくないよ。

そう言って、クロイツさんは溜め息をこぼす。


「伊藤先生(現国教師 32歳独身)に頼まれたんだ。『飼い猫が逃げたから探してくれ』って。あんなのでも一応顧問だし

断る訳にもいかなくてね……」


『みぃちゃん。メスの三毛猫。

三歳。』

そして写真の貼られた、おそらくレナさん特製であろうチラシを渡された。

一人2〜30枚はある。

つまり、これ配って、探せと。


「まぁ、適当に配ればいいと思う」


言っちゃったよ。


「俺も出るから、さっさと終わらせよう。

……あ、でも幸樹にお仕置きしなくちゃねぇ?」

「ひぃぃ!?

ご、ごめんなさいごめんなさいぃぃ!」


ズルズルと引きづられていく幸樹を哀れんでいると、隣で白夜が合掌しているのが見えた。

……頑張れ、幸樹。

無事に帰って来いよ。


俺とレナさんと白夜は、チラシを手に

黙って部室を出る。


……ていうか、校外に出ないと意味ないな。











猫はお好きですか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ