マスク越しのドラマ
県立 聖理高校 vs 私立 浦和学館
夏の高校野球2回戦
「ゆーすけ!!」
「ん?おお!てりや!!」
高橋 悠丞 タカハシ ユウスケ
埼玉県 赤沼中野球部元主将
照屋 塁 テリヤ ルイ
同じく 赤沼中野球部元エース
高橋「どうしたんだ照屋?」
照屋「どうしたって、ここのエース俺の兄貴だよ!」
高橋「兄貴って!?あの、照屋先輩?」
照屋「当たり前だろ!wバカか?」
高橋「いや、浦和学館行ったのか?」
照屋「浦和学館って埼玉最強高校だぞ?本気でいってんのか?」
高橋「そ、そうだよな…。聖理高校の方か」
照屋「そう!俺の兄貴の代が野球部創設1年目の超新設高校らしい!」
高橋「それで照屋先輩がエースか!!今2年だもんな~」
照屋「しかも、監督はいないんだとよ!だから聖理高校行くんだ!」
高橋「なるほど。それはアリだな。」
照屋「だろ?一緒に行くか?」
高橋「今日の試合次第だな。」
その試合は浦和学館の予選初試合で聖理は2回目だった。
しかし、7回コールドで敗戦
聖理の先発は2年生の左腕 中野
3回を2失点で降板
その後を継いだエース 照屋 は浦和4番の結城に3ランを浴びるなどして5失点
2回戦で敗退したものの
監督不在の公立高校期待の星としての存在感を見せた。
4月 悠丞は聖理高校にいた。
夏大会以降幾度か足を運んだこの高校。
しかし、部員としては初めてグラウンドに立った。
昨年とは違い監督が就任し
専用グラウンドが建ち
そして全学年がそろった。
監督 琢見 修一 若冠23歳
「俺が県ベスト8まで引っ張ってやる」
初練習で言い放った一言だった。
「俺は懸命にお前らを勝てるチームにする。だから死ぬ気でついてこい!」
若く勢いだけの言葉ではないことは、初の練習試合でわかる。
琢見「明日、午後からだが緊急で紅白戦をやる。名前とプレースタイルとポジションを知りたいからな。」
栗原「監督…。1年いれてやっと18人ですが…。メンバーはどう決めますか?」
琢見「お前がキャプテンか?」
栗原「そうです!キャプテンの栗原 信雄です!」
栗原 信雄 クリハラ ノブオ 聖理高校主将 1番ショート
琢見「メンバーはお前とキャッチャーのやつに任せよう。キャッチャー誰だ?」
佐藤「はい。キャッチャーの佐藤 茂喜です。」
佐藤 茂喜 サトウ シゲキ 聖理高校副主将 4番キャッチャー
琢見「キャッチャーならプレー見りゃ大抵の実力はわかんだろ?」
佐藤「まぁ、一応は…」
琢見「これからシートノックやるから、それで、みてくれ。」
佐藤「わかりました。」
琢見「じゃあ、シートノックだ!!ピッチャーは他にできるポジションに入れ!」
そこから、シートノックが始まった。
琢見監督のシートノックは一球一球にどんなプレーを要求しているかがわかるほど上手かった。
ノックの途中何人かが急遽コンバート(ポジション変更)されたが、そのどの指示も的確なものだった。
琢見「よし!ラスト1本!」
短い時間だったが大変な疲労感だった。
琢見「クリ!紅白戦はレギュラーチームと1、2年チームにしよう!」
栗原「それでいいんですか?」
琢見「バッテリーだけ逆にすりゃいいだろ。」
栗原「わかりました。」
琢見「そっちのがわかりやすいしな!」
そして、紅白戦当日。
レギュラーチーム
1番 ショート 栗原
2番 セカンド 岩田 (2年)
3番 サード 羽山 (3年)
4番 レフト 伊藤 (3年)
5番 ファースト 丹羽 (3年)
6番 ピッチャー 中野 (2年)
7番 センター 渡 (2年)
8番 ライト 羽賀 (2年)
9番 キャッチャー 高橋 (1年)
キャッチャーは3年に1人、2年は0 だったので1年の高橋がはいった。
1、2年チーム
1番 ショート 石崎 (2年)
2番 セカンド 池浪 (1年)
3番 ピッチャー 照屋兄貴
4番 キャッチャー 佐藤
5番 サード 北畠 (1年)
6番 ライト カルロス (1年)
7番 ファースト 国分 (2年)
8番 レフト 照屋弟 (1年)
9番 ライト 前島 (1年)
カルロスはアメリカと日本のハーフ。
琢見「審判は頼んだから心配すんな!公式の審判ではないがな!w」
審判「それでは初めていいですか?」
琢見「よろしくお願いいたします。」
審判「集合!」
ザッザッザッ…
全員がホームの前に集まる。
審判「それでは、試合を始めます!礼。」
全員「お願いしゃーす。」
先攻 1、2年 後攻 レギュラー
高校野球人生最初の試合が始まる。琢見「あっ…!」
突然の大声に全員が琢見監督を見る。
琢見「言い忘れてたが、この試合で活躍したやつがレギュラーな!w」
栗原「なっ!?1年でも?」
琢見「当たり前だ。勝ちにこだわるなら、実力主義でやるのが1番だからな!」
佐藤「つまり、3年でも活躍できなければ…」
琢見「ベンチだ!!」
ただの紅白戦に急に緊張感がうまれた。




