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「大丈夫ですか!?お嬢様!!」執事達は叫んだ。
食事が喉に通らず朝食に手をつけていないミナとラミアその他数名の貴女は無事だった。
毒が盛られていた。
食事に手をつけた貴女全員が飛び出さんばかりに眼をひん向き、こみ上げてくる喉を締めた。血の噴水、約二十人分の大吐血が朝食のパンに降り懸かる。呻き声や奇声を上げながら次々と事切れていく。口から泡を吹き出し、喉を自らの爪で掻きむしった者、発狂して頭をテーブルに何度もぶつける者、様々いたが皆死んでいく。
その時、狂騒の中、凛とした声が響きわたった。
ーーみんな死んでしまえばいいんだわ
凛としていたが怨嵯に満ちた恐ろしい声だった。
その声がしたと思われる遙か高い天井を見上げる。
すると、シャンデリアにレイピアを持ったアンナがぶら下がっていた。