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ミナは部屋の掃除をハインクに任せてから食堂へ行った。
すで料理の載った皿がロングテーブルに並べられていた。
朝日に光る食器達が美しかったが、恐怖におののく女達ばかりが集っていたためか、とても空気が重苦しい。
頬が痩けている女。挙動不振で落ち着きなさそうにしている女。幽霊のようにうなだれている女。たくさんの女達が集まっていた。
この城の貴女、侍女の数は併せてざっと六十余。
その内の貴女、二十三人の殆どがこの食堂に集まっていた。無論、ミナもその中の一人である。
ここでミナは気付いた。
数が足らない。何度数えても二十二人しかいない。
あとの一人は……。
ミナはふと人群の声に耳を傾けてみた。気になる話をしているようだ。