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ここで何者かがアンナの体を後ろから抱き止めた。
アンナの執事、ドウェルだった。
「お止め下さい、お嬢様!!一体何」
彼の叫びは彼女に首を締められ途絶えた。彼女とは無論アンナのことだ。
アンナはそのままドウェルを引き倒すと、床に落ちていたスプーンをくわえさせた。
するとドウェルは間もなくして白目を剥いて口から血を吐き始めた。海から上げた魚のように身を痙攣させると、やがて動かなくなった。
そう、毒は食器に盛られていたのだ。
「あはははははははははは!!しししし執事ごときがわわわ私に指図するるるるるなぁぁぁ!!」
狂い過ぎて呂律も怪しくなってきているアンナは生き残りに飛びついた。レイピアと短剣を振るい、ミナの目の前で血と臓物の展覧会を展開させていく。あれが心臓、これが小腸、それが脳髄。何でもそろってるよ。