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アメリカの関税24%・・ビビるな、商売人が儲けを度外視するはずないぜ!

 そのころ、五反田有楽街入り口近くの古本屋五反田書店(通称・五反田他人房書店)の店長荒井結弦(通称・他人房結弦)は、遅い朝食を取り終え、たいして陽も当たらない二階ベランダに自分だけの衣類を干し終えると、一階店舗奥にある六畳の畳部屋に戻り、こたつに足を突っ込んで、お昼のニュースを見る。

 この日は、前日にトランプ大統領が仕掛けた相互関税とやらの話題でもちきり。未明のNY株も1600ドル下落。あるじ愛用のグンゼのパンツもここのところゴムが緩んできて、上に引っ張り上げたそばから、すぐにずり落ちてくる。どうにもこうにもやりきれない。

 ここのところ、緑茶を探す旅にも飽きが来たのか、あるじはもっぱら番茶ですますようになってきた。世間では最近は、ほうじ茶という名で売っているようだが、緑茶より手ごろな値段だ。量も多い。それと、たしかに、番茶も出花(ジェンダーバイアス、セクハラ、三十路尼居に注意)と言われるとおり、煎れ始めは甘くてそれなりに飲めるのだ。たとえばティーパックのほうじ茶だとしても。

 だいたい、そうでなくとも、がぶがぶがぶがぶと、たいした労働をしたわけでもないのに、暇さえあればお茶でのどを潤している。それなら、なにも、値の張るお茶でなくとも足りるのだ。ちょっと飲んではトイレに立って、またちょっと飲んではトイレに立って。ヨークシャーテリアやマルチーズじゃあるまいし。だいたい、あるじは、若いころから、こうだった。ハタチのころからずう~っと頻尿家だった。いったいに、ホースが短いのか、タンクが小さいのか、それとも、その両方なのかは、わからずじまい。

 店の真ん前には、最近、安売りチェーン店「ノンキホーテ五反田店」が営業しはじめた。ここはタイムセールに合わせて、他所からものが安いってんで買いに来る日本人や中国などの外国人が結構いるようだ。そうかと思えば、上の階にいけば、場所柄ラブグッズなるものも、のれんの奥に用意されており、いそいそと買い求める若いカップルや年齢不釣り合いのカップルなどもいるらしい。

 

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