韓国大統領罷免のニュースがトップの必要ってあるの?
数日間、ずっと真冬のぶり返しで寒くて雨が降ってさんざんだったところ、久しぶりにお日様が出た。あるじは、どうせ、今日お店を開いたところで、お客さんなどひとりも来ないのだから、と方針を転換。それなら、桜でもめでにいくか、とカートに座布団やタオルや財布や電車のなかで読む文庫本を1,2冊入れて、出かけることに。
五反田駅から電車に乗るのはあまりに芸がない。せっかくの目黒川沿いの桜を楽しみながらにしよう、と、有楽街を出て、駅前東急ストア脇を抜け、タワマンと川の間の遊歩道へ進んだ。すると、見事なまでの春のけしきが広がっているではないか。毎年のことだが、やっぱり格別だ。日本人にはごはんに、味噌汁に、納豆がよく合うように、桜の花びらが似合うということだろう。
近所の若い母親と就学前のこどもが、暑さへと向かうつかのまのひと時を楽しんでいる。そうかと思えば、仕事にあぶれたふうの紺の上下の中年サラリーマンや、風体のよろしくないルンペンのようなおっさんもいたりして。いいのだ。万人に歓迎される。それが花見なのだから。
などと、どうでもいいことを思いつつ、あるじは一つ隣のJR大崎駅へ到着。このあたり、まったくの未来都市へと変貌した。駅周辺は、工場の廃墟だらけで、夜など自転車で出かけると、怖いくらいにまっくらだった。しかも、道だって、かなり狭いところもあったりして、それこそ、脇から暴漢が飛び出してきては、建物の中に引きずり込まれ、強盗にでも遭うんじゃないか、と恐ろしいほど。
家を出た時は、品川から新幹線でも飛び乗って小田原あたりでも行ってみっか、車も乗らないから、新幹線でかっ飛ばす爽快感を代わりに味わいたくもなるし、などと予定を立てていたのだが、駅に着くと、改札すぐの電光掲示板には、次の埼京線が午後2時20分と出ていた。あと3分だ。それじゃあ、なにも、小田原城まで新幹線自由席3100円を払って行かなくたって、さいたまの川を越えたあたりだって、気持ちのいい場所はあるはずだ、と気まま旅ゆえの自由さで、軽く予定変更。快速川越行きで、桜を見に行くことにした。