表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

私の覚えている前世の話

 しがないOLやってます!

 高卒で入社して数年。仕事にも慣れてきたけど、転職したくて仕方ない日々を毎日送ってます。

 よくある茶髪でポニーテールにしてる、どこにでもいる女。

 そんな私が覚えている、前世の話。




 前世の私も、平凡に生きて平凡に死んだ。

 ナーロッパ風ではなく、科学技術と魔法が両立する進んだ世界。

 貴族制ではないけれど、選ばれた人たちと選ばれない人たちに分かれた世界。




 なんのためにつけた機能なのかわからないけれど、歩くと光る歩道の床。

 歩くといっても、浮遊して進む人たちももちろんいるから、そんな人たちにも反応して光る。

 浮遊して進むのは、箒じゃなくてチップ。チップに魔力を通すと浮かぶの。仕組みなんて説明できない。だって、魔力があるのが当然だったんだもん。


 魔力量によって学校のヒエラルキーも決まった。もちろん、それ以外の要素も絡んでくるけど。


 子供達は制御できる授業中以外、魔法を禁じられる代わりに、魔法を数値化できるブレスレットをつけている。金属みたいなのに、なぜか金属アレルギーみたいな子はいなかったな。

 数値を自慢して生きてたの。子供達は。



 大人になると、学力だけじゃなくて魔力も使って試験も受けるの。仕事は、基本的に国から個人個人に割り振られる。


 私は平凡な仕事をして、普通に出会った人と結婚して、一人の子を産んで、平凡に死んだ。幸せだったよ。

 あ、子供を産むのは命懸けじゃないよ。そもそも、魔力器官があるから。そこで子供を作るんだよ。育てるのは魔力胞っていう……簡単に言うと卵みたいなもの。そこに夫婦で毎日魔力を込めるの。あ、夫婦じゃなくてもいいんだけどね。


 見た目はほとんど人間と同じだったけど、もっとカラフルだったよ? あと、魔力器官の触覚みたいなのが生えてた。伝わる? カチューシャみたいなのがついてるとでも思ってて。



 夫はね、とてもいい人だったよ。優しくて穏やかでいつもニコニコしていて。私には勿体無いと思うくらい。


 魔法生物? もちろんいるに決まってるじゃん。ペットとして育ててる人もいたよ。私? 私は無理無理。面倒とか見れない人だから。子供で手一杯。

 どんな生物かって? 毛? 毛はもうなくなって、ツルツルだよ。どちらかというと、固いかな。意外と足の数って変わらなくて、四足歩行の動植物が多かったかな。道歩いてるとたまに木に攻撃されてさ。防御魔法で跳ね返すんだよ。街には基本的に木とかないんだけど、歩いてくるんだよね。森から。街は城壁に囲まれてるのに、いつのまにか入ってくるの。あれは本当に不思議だったなぁ。研究してもまだわかってなかった。ニュースみたいな感じで流れるんだよ。


 私も少し研究してたんだよ。何についてって? 魔王について。魔人はいたよ。その王。魔人は触覚みたいなのが生えてないんだよ。そのくせ、強大な闇魔法撃ってくるの。闇魔法って感情的なシナプスが作用してるから、理論上はこの世界でも使えるんだよね。ただ、魔人しか使ったことがないから、私には無理。


 魔王召喚術とか研究してさ。後輩が成功させて、即殺されてたな。ただ、その数日後に後輩に似た人を見かけて、今思うと、あれ、魔王なのかな?

 魔王召喚術? 簡単だよ。紋様を決められた手順に書いて、血を一滴垂らすだけ。魔法もいらない。なんなら、少し召喚術をいじれば、今からでも召喚できそうなくらいだよ。


 やってみてって? できるかな? ちょっとやってみようかな?




 あ、

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ