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第1話 進三郎の妹、登場

<登場人物>

・進三郎・・・主人公。高専生。ある日、突然アンドロイドの自称・妹 メルと暮らすことに。


・メル・・・ピンク髪の美少女アンドロイド。明るく無邪気だが、背後には秘密が隠されている。


・メグ・・・ 進三郎の幼馴染。県立進学校に通う女子高生。進三郎を気遣う聡明な少女で、幹部自衛官の娘。

進三郎は今、秋葉原にいる。最近、AIによる画像生成が話題になっており、試してみたくなった。新しいパソコンを買うために、秋葉原まで探しに来たのだ。


「しばらく来ないうちに、秋葉原の雰囲気も随分変わったなぁ…」

と呟きながら、進三郎は秋葉原の街を歩いていた。通りを歩くと、そこは今も昔も賑やかで、無数の人々が行き交っている。

ゲームの音や、電子機器の音が交じり合う、独特の活気に包まれている。だが、どこか懐かしさも感じられた。


進三郎は、秋葉原の雑踏の中、ひときわ目を引く古びた自販機に足を止めた。自販機には、意味深に「妹」とだけ書かれた箱が並び、1000円で販売されているという不気味な表示があった。

「何だよこれ…怪しすぎて草」

と苦笑しながらも、進三郎はその不思議な自販機に興味を惹かれた。何となく、ボタンを押してみた。すると、「妹」と書かれたガチャポンが一つだけ出てきた。中身に期待しつつ、進三郎はそのガチャポンを手に取り、開けてみる。

それには、「大当たり!」と書かれた紙が1枚だけ入っていただけだった。

「何だよこれ…」


進三郎は呆れた。これは詐欺だろうか?でも、何となく気になっていたのだ。この奇妙な自販機とその「妹」という言葉に、心のどこかで引っかかっている自分がいた。

仕方なく、進三郎はそのまま新しいパソコンを探す気力もなくなり、帰ることにした。秋葉原の街を歩きながら、少しばかり空虚な気持ちが湧き上がってきた。


進三郎は一人暮らしの高専生で、家賃5万円のアパートに住んでいた。いつも通り、部屋に帰ると――


「ん…?」

進三郎が部屋の扉を開けると、そこには見覚えのない光景が広がっていた。

目に飛び込んできたのは、ピンク色の長い髪、青い目をした15歳くらいの可愛らしい女の子が、進三郎のリビングのソファに座ってお菓子を食べているという、完全に異常な光景だった。

彼女は、まるでここに住んでいるかのように自然体で、進三郎の部屋を自分の場所だと思っているようだった。


「えっ…誰、この子?」

進三郎は思わず立ち止まり、彼女を見つめた。その女の子は、進三郎に気づくと、突然ニッコリと微笑んで、言った。

「おかえりなさい、進三郎。」


進三郎は目を見開いた。そんなはずはない。自分は一人暮らしのはずだ。進三郎は目の前に立つその少女に、言葉を失った。

「君、誰?」

進三郎はとっさに声を上げた。女の子はお菓子を口に頬張りながら、穏やかな声で答えた。

「私は、メル。あなたの妹だよ。」


「妹…?」

進三郎は目を丸くした。妹なんて、実際にはいない。家には自分ひとりだけだ。

なのに、目の前に座っているこの女の子は、まるで進三郎の部屋の住人であるかのように、普通に振る舞っている。


「妹…?でも、どうして君が妹なんだ?」

進三郎は困惑しながらも、疑問を投げかけた。すると、メルは、まるで何事もなかったかのように答えた。


「私は、進三郎の『妹』として作られたアンドロイド。だから、あなたの妹だよ。」

進三郎は完全に呆然とした。アンドロイド…?目の前の少女が、アンドロイドだと?しかし、彼女の言葉が本当だとしたら、あまりにも非現実的だった。

進三郎はその疑念を振り払おうとしても、どうしても信じられない。

「アンドロイド…?」

進三郎は再度その言葉を繰り返したが、信じられないという思いが強くなるばかりだった。だが、メルは目の前で淡々と続けた。

「そう。ガチャポンに『妹』と書いてあったでしょ?」

進三郎は一瞬言葉を失った。秋葉原の怪しい自販機で引いたガチャポンが、こんなことを引き起こすなんて信じられなかった。

「でも、君がアンドロイドだなんて、どう見ても人間の女の子じゃん?」

進三郎は、まだ疑いの目を向けながら言った。すると、メルは微笑んで言った。

「じゃあ、見せてあげるよ。」


そう言って、メルは手を空中にかざした。その瞬間、部屋の照明が一瞬で明るくなった。

進三郎は目を見開き、驚いた。メルは冷静に言った。

「こんなこともできるんだよ。」

メルはそう言って、空中にふわふわと浮かんでみせた。


進三郎は完全に驚愕した。何も言えなかったが、目の前で起こっている現実に、どうしても否定できない感覚が湧き上がってきた。

「でも、どうやってこの部屋に入ったんだ?鍵は閉まっていたはずだよ…」

進三郎は困惑しながら聞いた。すると、メルは淡々と答えた。

「電子ロックだから、開けて入ったよ。私、そのぐらいのことは簡単にできるし。」

進三郎はその答えにさらに驚いたが、それでも、どこか納得せざるを得ない部分があった。

メルは、お菓子を口に頬張りながら、穏やかに続けた。

「私を当てるなんて、そんなことそうそうないよ。宝くじで1000万円当てるぐらいの幸運なんだから。」

進三郎はしばらくその言葉を考え込んだ後、ため息をつき、言った。


「分かったよ。じゃあ、一緒に暮らしてみるか。」

進三郎は、目の前の状況にどう向き合うべきか分からなかったが、出ていけと言っても無駄なような気がして、そう答えた。

<読者の方へ>


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