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第6話 龍脈

〈sideルーク〉


「装置?」


 僕はフィールにそう問いかける。


「⋯⋯確証があるわけではないんですが、あのダンジョンとかいうものはおそらく私から成り立っています」


 フィールから成り立っている?その意味が分からず、僕の頭の中には疑問符が浮かんだ。


「私の力が異常だというのはまあ、なんとなく分かってます。その力からダンジョンというものを作っているみたいです」


 ⋯⋯つまり、ダンジョンはフィールを核として作られているということか?ダンジョンにはダンジョンコアがある的な話を聞いたことはある。ダンジョンコアは壊れるとダンジョンが崩壊するというものだ。事実として、過去に一つ崩壊したダンジョンがあったらしい。僕が生まれる少し前にあったらしく実際どんな状況になったのかは知らないのだけど。


「つまり、他のダンジョンの中に私の他の部位はあると思います」


 そういえば、本題はそこだったな。ダンジョンの話が出ていたからすっかり忘れていた。ここから他のダンジョンに行くとなると、一番近い場所か⋯⋯。

 今見つかっているダンジョンは崩壊したものを含めて六つある。それぞれ、そのダンジョンを中心とした街が形成されている。ダンジョンから得られる資源を求めて作られた街だ。つまり、ダンジョンはその街の主な収入源として機能している。ダンジョンがもし崩壊するというのであればそこを何とかしなければフィールの体探しは後にしなければならない。


「さっきのダンジョンはどうなるんだ?」


 一度ダンジョンが崩壊したことがある以上、また崩壊するとなれば簡単な判断はできない。フィールの体を探してはやりたいが、それでほかに影響があるとなれば考え直す必要がある。


「⋯⋯そうですね。恐らくですが、少し魔物の数が減るでしょう。まあ、気付くかは怪しいレベルですが」


 帰ってきた返事は問題がなさそうなものだった。気付かないレベルの変化なら気にすることではないだろう。


「フィールが核になってるんだよね?いなくなっても大丈夫なの?」


 一応、再度確認しておく。


「はい。ダンジョンがエネルギー源、新たなエネルギー源を求めるものです。なので、さらに植物のように深く根を張って、いずれ龍脈にたどり着くでしょう。そこからエネルギーは得られるはずなので大丈夫です。私のほうがエネルギーは多いので少々の差はあるでしょうが」


 ⋯⋯龍脈かぁ。オカルト的な話で出てくるもので、地下を流れるエネルギーの道だ。これに沿って家を建てるといいとか、どうやって龍脈の位置を知っているのかは不明だが、まあそんな風水的な話で語られるようなものだ。それを実在すると言い切るフィール。

 後、フィールの力はとんでもないと思っていたが、龍脈を超えるほどなのか⋯⋯。ありえないとは思うが、実際にフィールは規格外な力を持っているのだから一概に否定しきれない。


「フィールは龍脈を超えるエネルギーを持っているのか」


 少し信じきれなくてフィールにそう聞いてしまう。


「龍脈全体と比較すれば私のほうが少ないですが、一か所から採れるエネルギーとなら私のほうが大きいですね。私のパーツが完全にそろえば龍脈全体よりも多いですが」


 ⋯⋯そうですか。最後の言葉で全部が持っていかれたな。それに、フィールは体のパーツが集まれば集まるほど強くなるのか。なんだか現実感がない話だな。魔力で体を作っているっていうのに。


「ま、まあいいか」


 動揺させられた僕はそんな返答をすることしかできなかった。


「何がです?」


 動揺した口調には特に触れずフィールがそう聞いてきた。


「えっと、フィールの異常さかな?」


 言いづらかったが正直にそう言った。


「それはそうです。私は規格外って言われてますから」


 規格外か。⋯⋯あれ?誰から言われてるんだ?


「誰から?」


 記憶がないフィールがそんなことを言うので違和感を覚えた僕はそう問いかけた。


「⋯⋯世間様?」


 まあ、一般的な視点で見たら異常だろうけどな⋯⋯。表現が変だろ。

 そんなことを思ったが、とりあえず話を変えよう。今このままこんな話をしている場合じゃない。今更な気もするけど。


「じゃあ、別のダンジョンに行くってことでいい?」


 当面の方針はフィールの体探しということで、僕はフィールにそう問いかけた。


「私はマスターの意向に従うだけです」


 フィールはそんな返答をするだけだった。


「⋯⋯そう?」


 完全に僕に従う意思を示すフィールに少し困惑しつつそう答えた。


「はい」


 フィールは淡々とした口調でそう答えた。完全に傍から見たら主従関係になってるな⋯⋯。そんなことを思いつつ僕はフィールのほうを見ていた。

 とりあえず、次の方針は別のダンジョンに行くこと。ここから近いのは⋯⋯。僕は少し記憶をたどる。

 ここから一番近いとなるとフォームという街になる。とはいっても、徒歩で一週間近くかかる旅路だけど。まあ、当面はそこを目指して旅をするということになるか。それまで自給自足の生活だけど、何とかできるのか不安だ。

 あ、あともう一つの方針もあるな。フィールが僕に完全服従となっている現状を変えることだ。全くどうすればいいのか見当もつかないのだけど。


宵「体探し⋯⋯カラダ探し?」

イ「それは、ホラー作品でしょ」

宵「見たことはないんだけどね⋯⋯。体探しって書くたびにそれが思い浮かぶ」

イ「全くホラー展開は用意してないんだけどね」

宵「ホラー小説を書いてみたいとは思ったことはある」

イ「結局ラブコメするんでしょ」

宵「いや、自分のホラーの好み的にないかな」

イ「ホラーはホラーでは」

宵「ん~なんていうか、呪いとかそういう話が好きなんだよね。幽霊とかはそんなに」

イ「⋯⋯考察系みたいな?」

宵「そうそう。考えていくうちに怖くなる的な」

イ「謎の儀式的なのも好きそう」

宵「好きだねぇ。おつかれさまとかも割と好きな話」

イ「残念ながら当事者ではないらしいけど」

宵「割と有名だと思ってるけどどうなのかな?」

イ「にちゃんねるのやつでしょ。お憑かれさまって」

宵「そうそう。⋯⋯と、長くなりすぎか」

イ「そろそろ終わりにしましょう」

宵「全くあとがきしていないあとがきでした」


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