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第5話 これから

〈sideルーク〉


「そろそろ出ようと思うけど、いいかな?」


 僕はフィールにそう声をかける。


「はい。特にすることもないので」


 僕もないけど⋯⋯。無理やりに降ろされた僕は心の中でそう思いながら、魔法陣のほうへ歩を進める。そして、魔法陣の上まで来た僕の視界は白に包まれる。

 次に目を開けると、ダンジョンの入り口が目に入った。つまり、脱出できたということだ。

 ⋯⋯さて、これからどうしよう?

 外に出てからの予定を全く考えていなかった僕はそんなことを考える。まず、外に出なければとばかり思っていた。さて、これからどうするのかだけど、シーザーらに会いに行こうものなら再度殺そうとしてくることになるだろう。なぜ僕を生きたまま置いていったのかは甚だ疑問だけど、それを知るために殺されたくはない。街の中で殺すとかはないだろうけど、またダンジョンの中など殺せるところはいくらでもある。そして、僕もシーザー達の実力には全く及ばない。フィールに助けられただけで、僕自身が強くなったわけではないのだ。

 つまり、僕らの住んでいたルーベというのだけどからは出ていくしかないのか⋯⋯。親に頼ろうにも、逃げた子供が泣きつくのはよくない。それに⋯⋯。

 僕はちらりとフィールに視線を向ける。いきなり視線を向けられた、フィールは特に気にした様子もない。彼女の力、常識のなさから、利用される可能性がかなり高い。彼女は特に自分の力を隠す素振りもないため、すぐにばれてしまうだろう。そうなって、利用されるのは、あまり気分がよくない。

 そういえば、フィールは頭だけになってるんだよな。残りの部位を探すのがいいのかもしれない。ふと僕はそう思った。少しお人好しが過ぎるかもしれないけど、特に目的のない僕はそうするのもいいかもしれない。幸いにも冒険者という職は、旅をすることには適している。それに、特に今の街に思い入れはない。


「かなり歩くことになりそうだけど大丈夫?」


 僕はフィールにそう声をかける。本来なら、馬車を拾うことを目標にするはずなのだが、換金できるものはなくお金も気を失っている隙になくなってしまっていた。ダンジョンで手に入る中で換金できるものと言えば、ダンジョン内の宝や魔石が挙げられるが、どちらも持っていない。そもそもダンジョンの宝は大概はがらくたに過ぎないし、それでも簡単に出会えるほどのものではない。もちろん中には、とんでもない値がつけられたものもあって、『転生の短剣』という刺された人が次の人生を記憶を保ったまま送れるというアイテムは国宝として祀られている。割に使用はされていないようだけど。

 話を戻して、魔石についてだけど、これはダンジョンの魔物の中から出てくる石ころのようなものだ。様々なエネルギー源として使用されているもので、冒険者のほとんどはこれを売ってある程度の資金を確保している。一個一個の単価は低いが、魔物一体ごとに一つ手に入るため数は集まるのだ。ならばこれから集めればとなるかもしれないけど、鞄が盗まれているため、すべて手持ちで運ぶ必要がある。そんな状況である程度のお金になる量を得ることはほぼ不可能だ。

 にしても、鞄は盗まれたのだろうか?だとしたら、僕にとどめを刺さなかった理由が分からない。フィールが何かしたのだろうか?そうだとしたら、シーザーたちの誰かが『マスター』と呼ばれていてもおかしくないはずだ。⋯⋯そもそも、僕を初めて見たから『マスター』なのだと言っていた。だから、フィールはシーザーたちに会っているのはおかしいのだ。


「はい大丈夫です」


 話が逸れたが、先ほどの質問にはフィールがこう返した。まあ、あれだけの身体能力で体力が僕以下とは考えづらい。むしろ、僕のほうが体力に不安が残る。ただ、女性のほうを心配するのが紳士的だろう。⋯⋯これも貴族教育のひとつなんだけど。

 さて、そもそも他の街まで行くことができるのかという点だけど、まっすぐそこに行くことは不可能だ。所々で村に寄らせてもらわざるを得ないだろう。食料がないことなど諸々の問題がある。⋯⋯後、情けないけど休憩なしだと僕の体力が持たない。


「じゃあ行こうか」


 そう言って、歩き出そうとはしたものの、どこを目指せばいいのか分からない。フィールの体のパーツを探そうと思っていたのだけど、それがどこにあるのかは不明だ。しかし何と聞けばいいのか?

 考えた末にいい案も思い浮かばなかったため、そのまま聞くことにした。


「そういえば、フィールの他の体ってどこにあるんだ?」


 唐突な質問だったが、フィールは特に気にした様子もなく答える。


「そう、ですね。これは推測なのですが、ダンジョンと言ってましたか、あの装置の中にあると思います」


 そう言ったフィールだったが、僕は装置という言葉に引っかかった。ダンジョンは確かに何のために作られたのか、全く分かっていない。ダンジョンで倒した魔物は一定時間で消えるのだが、それも摩訶不思議な現象として語られている。ダンジョンの宝の一部も現代の技術では再現不能なもの、そもそもの仕組みが不明なもの、とダンジョンに関するなぞは数えればきりがない。

 それを装置だと言い切ったフィールが何を知っているのか、そこに興味を惹かれてしまうのは仕方ないことだろう。


宵「最近ペースが落ちてる。申し訳ない」

イ「さぼりすぎでしょ」

宵「ゲームは恐ろしい⋯⋯」

イ「仕切り直して、あとがきしていこうか」

宵「あとがきするとは?」

イ「そこは突っ込まない」

宵「む。まあいいか。今回は設定集みたいな内容でした」

イ「過去の話に矛盾があるかも」

宵「まだ5話なのにね⋯⋯」

イ「それなら、プロットなり設定集なり書けばいいのに」

宵「書けたら書いてるんだよ」

イ「まあ、話を書くほうが楽しいっていうのは分かるけどね」


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