言葉を持たない子
用意していた原稿用紙が一枚余って、なんか書けないかなぁ…と思って。
たまたまスマホにメモがあったので、ちょうどいいやって。
何か感情が動くことがあると言葉を探す。図書館で、漫画で、アニメで、しっくりくる言葉を探す。
言葉が見つかると自分が感じたことがどんなものかわかってほっとする。控えめに微笑んで、そっと本を本棚に戻す。
言葉を持たない子
私の言葉は私のことなんてちっとも表しちゃあいない。言いたいことと言っていることが違うのに、その違いの埋め方がわからない。
だから私は喋れない。私の言葉は空っぽだ。
崩れるのを恐れながら空っぽな言葉を重ねるよりは黙っていたい。
こうして私は喋らない子になった。
思ったより短く終わりました。本当は500字くらいになるはずだった。