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鬼と化せ  作者: 佐々木 朔弥
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悪鬼

施設の人は、言っていた。

「鬼は、いい存在なんだよ」って。

でも、僕らは知ってる。その昔、この世界を滅ぼしたのは

「鬼」だってこと。今は、そんな跡形もなく復興したけど

一度は世界を壊したことを。

そして、施設の人が鬼を創り出そうとしていることも…

それに、薬では鬼は創れないって言ってたのに。どうして?

僕の頭にあるのは「角」?

嫌だ。嫌だ。「鬼」になんかなりたくない。

僕は、そんな現実から目を背けるように部屋の隅に座った。

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