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プロローグ
「本日、君たちを呼び出した理由は、言わなくてもわかっているね?」
とある高校の校長室で、重たい空気を醸し出しながら部屋の主は正面にいる五人の生徒たちに問いかけた。
質問された生徒たちの反応は様々だ。
事情が呑み込めず驚いている者。諦めたような顔をする者。乾いた笑いをする者。
しばらく反応を見て再び校長は口を開いた。
「君たちの所属する部は去年一年間これといって大した成績を出すことはなかった。その前の年でも。結果、君たちは……」
その場の空気がより一層重くなる。
「……退学だ」
言葉を聞いた瞬間、生徒の一人、智和ははどうしてこうなったのかを振り返っていた。いや、どんなに考えても原因はただ一つ。一週間前の入学式の日、先輩に会ってしまったせいなのだ。
そう、すべての始まりは、あの時――