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haunted world   作者: ぞえ
溝島ショッピングモール編
26/42

第二十五話 再会そして・・・

更新遅れてしまいました。



 何度見ていても五階のテラスに人影が見えない。ていうかさっきから戦闘音が中から聞こえる。銃声や悲鳴がひっきりなしに聞こえてくるのだ。

 こいつはどうしようかな・・・。


「感染者は裏のシャッターから続々と・・・あっ」


 なんでだろ。すげー忘れてたことがあった。もう、本当に。これ使えば一発じゃん。

 俺の視線の先には一つのドアが合った。上には非常口と書いてある。確かあの扉は普段は業務用だが、非常時の場合は非常用扉として使っているはずだ。

 なら、狭いが階段も存在するのでは?

 俺はそぅと近づき、ドアノブを捻る。空いていたのか、ひゅっと中に入ることが出来た。俺の予想通りに上へと繋がる階段が存在していた。

 ていうか、移動手段がエスカレーターとエレベーターな訳がないだろうが。


「皆、すぐ行くから」


 俺は階段を駆け上がった。ここまで全力で体力を使っていたせいか、かなり体力が削られてる。

 

「よし・・・」


 俺は五かいまで辿り着いた。五階には誰もいないようだ。どうも、舞台は下の階のようだ。

 直ぐに下の階まで駆け降りる。

 三階、エスカレーター。

 そこでは中村が倉橋を庇う進哉に向けて銃を向けていた。




















「じゃぁ、死ねよ!」


 中島が言った。その次の瞬間、俺の蹴りが中島の背中を直撃した。殴ろうとしてきた村本をそのまま背負い投げをして無力化した。

 まさに一瞬の出来事でその場にいる全員が目を見開いていた。


「て・・・・てめぇ!」


 転んでいた中島が俺に向かって走って来たが、その前に倉橋が立ちはだかる。


「アマァ!どけぇ!」

「倉橋流格闘術『六甲葵桜』」


 両手の拳、肘、による六連撃攻撃。


「がっ・・・・ふ・・・・」

 

 中島は二歩歩いてその場に倒れる。


「ふぅ・・・手加減してあげたから」

「くっ!」


 村本が銃を構えるが、佐治が先に村本に銃を向ける。


「おっと、そこまでだ。蓮太郎、倉橋と一緒に下の階の奴らの援護に行ってくれて」

「分かった。感動の再会は今度だ。倉橋!付いて来い!」


 俺は倉橋を呼んで三階のバリケードを蹴り飛ばす。そのままジャンプして太田さんに食らいつこうとした感染者の頭を金属バットで思いっ切り殴り飛ばし、そのままエスカレーターに向かって蹴り飛ばした。

 すかさず襲って来る感染者達を倉橋があしらう。


「すみません、遅くなりました」

「れ、蓮太郎君!生きていたのか!」

「ええ、どうにも悪運が強くてですね。さて・・・」


 生き残りは七人まで減っていた。

 太田さん、天音さん、赤城さん、それと田中さん。後は大学生二人と大人が一人。だけであった。大学生は赤城さん以外は皆やられてしまったようだ・・・。

 クソッ!

 俺は天音さんの援護を受けながら倉橋と近距離戦で次々に感染者をバッサバサと倒していった。

 戦闘が一段落して、一時会議を行うために三階へと上がる。すると、そこには彼らの姿はなかった。


「すまん、見張っていたんだが、逃げられた」

「ちっ・・・まぁ、どうせ俺が使ったルートを使ったんだろう」

「ルート?」


 太田さんの質問を返す。


「ホント、盲点でした。作業の通路があることをすっかり忘れていました。多分、感染者がいない限りはあそこを使うことは出来るでしょう」

「そうか・・・なら、直ぐにでもここを出発しよう。もうここはダメだ」


 生き残ったのは太田さん、天音さん、赤城さん、遥、佐治、進哉、倉橋、俺。残りは大人が一人と大学生二人。


「ん?」


 佐治が何かに気づいた。


「どうした?」

「・・・この音・・もしかして」

 

 そう言って佐治は屋上へと走って行く。


「お、おい!」


 屋上へ出た。すると、直ぐ近くを救助用ヘリが飛んでいた。


「あれ・・・!おーい!」

「ここだぁ!」

「助けてくれぇ!」


 各自、助けてくれるよう叫び声をあげていく。すると、それに答えるようにヘリが接近して来て、屋上に着陸したのだ。


「やった!」

「これで助かる・・・」

「危なかった・・・」

「君達は全部で何人だい?」


 自衛隊らしき人がそう言った。


「な、十一人です」


 すると、その顔が険しくなる。


「・・・十一人か・・・」

「何か、マズいんですか?」

「ここに来る前にちょっと立ち寄っていてね。そこでも救助があって・・その人数だと少しギリギリなんだ。やけに風が強い今日は、無理をして飛べられない。貴重な移動手段を失う訳にはいかないからね・・・」

「・・・・・」

「だから、乗せられるのは、九人・・・十人が限度かも」


 その答えに全員が絶句した。

 つまり、皆を逃す為に誰かを犠牲にしなければならないのだ。

 

「な、ならまたここに来れば!」

「倉橋、あれだけ感染者が押し寄せてくればバリケードなんて持たない。それまで持ち堪えていられない」

「でも・・・」

「速くしてくれ!あまりここにもとどまっていられない!」


 誰も口を開かない。

 こんなことになるなんて思ってもいなかっただろう。誰かを犠牲にしなければ皆を救うことが出来ない。

 この世の中で、他人を優先出来る程、甘くはないのだ。優先=自分の死へ直結する。

 ヒーローになりたい訳じゃない。ましては好感度を上げた訳でもない。ただ言えるなら、俺はこいつにもう少しだけ生きて欲しいと思っただけだ。







次回もよろしくお願いします。

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