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haunted world   作者: ぞえ
溝島ショッピングモール編
15/42

第十五話 その夜

ありがとうございます。




 リア充は所詮リア充。どんな状況でもリアルを充実してしまう。能力は・・・。

 リア充のスタンド、『パーフェクト リアル』















 五階の利点と言えばこのようなテラスがあることだろうか。外に出て夕日が見れる。それぐらいだ。

 ということで、俺は少し広いテラスに出て夕日を見ていた。

 

「この夕日を見てると、世界が終わったなんて思えないな」


 一人、ポツリと喋るが、言ったことが急に恥ずかしくなって黙り込む。いつもはもう一人いるはずが、用があって何処かに行っている。

 まぁ、こうしてゆっくりするのも悪くはないな。

 いっぱい死んだな。

 折角、知り合えた近藤も、先生も、友人も・・・多分、俺が知ってる奴は皆死んだ。けど、知ってる奴は増えた。

 それは、少しだけ嬉しいな。

 まぁ、何にせよ、俺は俺の出来ることをするだけだ。


「何黄昏てるんだ?」


 後ろから佐治が歩いて来た。その手にはバックがある。


「何でもないさ。それより、どうしたんだ?そのバック」

「ああ、一度、倉橋の車に乗った時、運転席でいいもん見つけたんだ。そいつをこのバックに入れといたんだ」

「へぇ、いいもんね。何?」


 すると、佐治はバックから何やらゴツゴツとした物を取り出して言った。


「ベレッタM92。有名な銃だよ。十五発装填可。ジャムも少なく、比較的には撃ちやすい銃だ」

「・・・・ていうか、何でそんなもんが倉橋家の車の中にあるんだよ」

「ほれ、もう一丁」


 ポイッと俺にもう一丁渡す。


「おいおい!」


 うっかり落としそうになるが、しっかりと受け止める。


「そっちはタンスの中に隠してあった」

「マジか」


 佐治は銃をバックに入れる。


「あの倉橋家・・・なんか、気になる」

「気になる?」

「外見から分からないが、家の中には銃は隠してあるわ、スタンガンとか、防犯システムもごつかった」

「なら、どうして俺達はスムーズに入れたんだ?それに、あの死んでいた二人はどうなる?」

「・・・・・防犯システムは切られていなかった・・・分からん」


 どういうことだ?

 佐治の話では、防犯システムは切られておらず、家の中は何故か違法武器があった。外見は他の家とはあまり変わらない。


「・・・いや、これ以上の考え事はやめよう。飯の時間だ。ていうか、こいつ、どうしたらいいんだ?撃ち方なんて分からんぞ」


 俺はベレッタを佐治に向ける。


「まぁ、いいだろ。遠距離の武器があるのは嬉しい。撃ち方はそのうち教えるさ」

「・・・なんか・・まぁいいや。オーケー、今持ってても仕方ない。佐治が管理しててくれ。その時になったら渡してくれ」

「おう」


 ベレッタを佐治に渡す。

 時刻は午後六時半。言われていた夕食の時間である。なんか、食事当番というのもあるらしい。

 なんか、面倒だな。色々制限されて・・。

 

「腹が減った。蓮太郎、行こうぜ」

「ああ」


 三階に下りると、既に全員そろっているのか、ワイワイと賑わっていた。今回の食事担当である社会人グループがカレーを配っていた。

 

「ほら、君達も食べろよ」

「ありがとうございます」


 佐治と自分の分を受け取り、片方を佐治に渡す。

 近くにあった椅子に座り、カレーを食べる。


「・・・うま。懐かしい」

「言えてる。カレーなんて何だか久々に食べた気分だ」


 ちゃっちゃとカレーを食べると、俺と佐治はもといた五階へと戻る。それから世界は闇に包まれた。

 自家発電はあるみたいで、トイレ。それと中央辺りは電気が点いていた。

 

「先輩」

「ああ、進哉か。ホントに来たんだな。ていうか、良かったのか?こっちに来て?」

「ええ、俺は下じゃ後輩ってことで雑用ばっかで、ホント嫌になってたんですよ」

「そうか。まぁ、来ても来なくてもいいが・・・」


 そう話していると後ろから声が聞こえた。


「おい、お前ら」


 と、厳つそうな男がテラスにやって来た。良く見たら村本の取り巻きの一人の男であった。中島とか言ったかな?

 

「ここは俺らが苦労して見つけた安全な場所なんだ。あんま、調子乗んなよ?いいな?それと、進哉。お前、裏切るのか?」

「先輩、最初に言いましたよ?村本先輩が、行きたいなら行けばいいって。自由、それを約束しましたよね?だから、俺は俺の好きにしますよ」

「ちっ、後悔するからな」


 そう言って中島は戻って行った。

 

「あいつ、いっつもああなのか?」


 佐治が進哉に聞いた。


「ええ、中島先輩は村本先輩のことばかり気にかけてて、ちょっと逆らったら村本の言うことは正しいんだ!と言って、ホント怖いんですよ」

「・・・」

「ふぅん」

「何だか、どうでもよさそうですね」

「いや、別に」


 そう言いつつ俺は寝る準備をする。

 何処かの飲食店に入り、その長ソファーに座り、毛布を被る。

 窓の外は何処も暗く、何も見えない。 

 

「そろそろ寝るか。明日は明日で色々やらなければならないからな」

「おーう」

「了解です」


 まだ午後八時過ぎだというのに、俺達は一足早く眠りについた。








もう一人出て来ると思います。登場人物多くなりましたねww

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