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haunted world   作者: ぞえ
溝島ショッピングモール編
14/42

第十四話 爆ぜろリア充

ありがとうございます




 倉橋が、覚醒した。












「あ、ありがとう」


 そっと倉橋はその手を握って立ち上がり、俺と佐治は無視して立ち上がる。


「倉橋さんが生きてて良かった」

「うん、村本君も元気そうで」


 すると、後ろから数人の男女が声をかけてくる。


「村本、どうだ?って、倉橋じゃねーか」

「えっ、有紗?良かった!あの時はぐれてから、ずっと心配で・・・」

「遥!良かった」

「後ろの二人は?」

「えっと・・・私の命の恩人。助けてもらったの」

「本当?何か、強そうには見えないけど」

「ホント、ホント。強いよ」

「まぁ、有紗が生きてたならいいけど。ホント、良かった」


 という会話。

 どうやら倉橋の仲間らしい。良く見れば村本の取り巻きだった連中だ。ていうか、俺のこと覚えてないのかよ。いくら制服じゃないからって・・・まぁ、別にこいつらに覚えられてなくてもいいけど。


「いいのか?」


 と、佐治。


「何がだ?」


 と聞き返した。


「倉橋」

「別にいいんじゃねーの?」

「そうか?」

「ああ、倉橋は自分の居場所を見つけただけだ。一端の男子高校生が、他人の人生を変えられるほど、力なんぞ持ってないんだよ」

「ならいいが・・・」


 そこから俺達は二階にあるスタッフルームに通された。そこには一人の男性がいた。


「私はこのコミュニティのリーダー。太田重信だ」


 特に特徴もない男性が言った。

 太田重信・・・。


「君達三人にはここにいる以上は規則に従ってもらう。それでいいな?」

「別に・・・」

「特に問題はない」

「大丈夫です」

「よし、ならいい。他のことは田中にでも聞いてくれ」


 と、メガネの男が前に出て来た。

 

「それでは、外で話ましょう」


 一階に下りる。


「このショッピングモールでは全部二十三名の人が避難しています。あなた方で二十六名となりました。このコミュニティでも小さなグループにいくつか別れています。あなた達学生のグループと、我々、それともう一つ、大学生のグループ。この三つです。当然、学生グループに所属することになるんですよね?」

「えっと・・・」


 チラッと倉橋が俺見て来た。

 多分、こいつの中では俺達と行きたいがどっちかというと村本達とも行きたい。そこんとこの葛藤があるんだろう。

 多分、俺が村本のこと嫌いだというのが分かっているのだろう。

 無理強いはさせたくない。


「ええ、そうですよ。同級生なんで。倉橋は。俺達は彼らのグループに入りません」

「そうですか・・・一応は、学生のくぐりとさせてもらいますね。では、そういう形で。詳細はまた夕食の時にでもお話させてもらいます」

「分かりました」

「・・・」

「りょーかい」

「基本的には食料以外は自由に使ってもらっていいので。それでは・・」


 と、田中さんは戻って行った。

 ふむ。 

 では、俺からこのショッピングモールの解説を軽くしよう。

 この溝島市ショッピングモールは全五階建てである。

 一階は食品売り場。二階は洋服店。三階は家具店。四階おもちゃや本売り場。五階はゲームセンターと飲食店である。

 主には一階の食品売り場の生ものをいち早く消化しているらしい。

 食事は普通にあって、おもに三階で食べるらしい。

 全部で三つのコミュニティがあり、各階に散り散りになっている。大学生グループが八名。学生グループが五名。残り十名が社会人グループである。

 

 ふぅ、まぁ、こんなもんかな。

 社会人グループは主に二階。大学生グループは四階。学生グループは配慮されて三階。三階は家具店だから固定のベットがある。


「それで、俺達はどこで寝る?」


 と、佐治が言った。


「んー、五階だろうな」

「寝れる場所あんのかよ?」

「ほら、ファミレスは意外にもソファーとかあるんだよ」


 それでも毛布でもあれば嬉しい。そう思って三階に取りに行く。途中、四階の大学生達が俺に声を掛けて来た。


「おーい、君達が今日来た学生かい?」


 そう言って青年が一人出て来た。


「はい、そうですけど。何か?」

「いや、新しく来た人がどんなのか気になってな。俺はこの大学生グループの赤城匠だ。よろしく」

「真鍋蓮太郎です。それで、こっちが木島佐治です」

「そうか、色々とよろしくな」

「はい」


 軽く挨拶をして、俺達は下りていく。動かなくなったエスカレーターをトントンとスムーズに。

 三階ではキャッキャッワイワイとあいつらの声が聞こえるが、別に問題にはしない。


「さてと・・・使ってる物は流石にダメだろう。う~ん」


 持っていかれ、殆ど無くなっている家具置場を見ながら俺は唸った。残った家具はタンスとか、机。

 タンスでどうしろって言うんだよ・・・。


「バリケードには使えるな。重いけど・・・」

「なぁに、エスカレーター上って来たらタンス投げれば問題ないさ」


 自信満々に佐治は言う。


「さっさと毛布持って行こうぜ」

「ほいよ」


 二人分の毛布を持って元来た道を戻ろうとした。すると、後ろから誰かに声をかけられる。

 

「あれ?蓮太郎先輩ですか?」


 振り返るとニット帽をかぶった男が立っていた。


「・・・?」

「えっ、覚えていなんですか!俺ですよ、俺。榎宮進哉ですよ!中学バスケ部の後輩だった!」

「ああ、思い出した。よくファールしてた・・・」

「もういいんですよ!」


 腕組をしてこちらを見る。

 

「えっと、そちらは・・」

「ああ、俺は木島佐治。よろしく」

「よ、よろしく」


 佐治と進哉は握手する。

 うんうん、よろしいよろしい。


「それで、先輩方はこれからどうするんですか?」

「俺らは五階を拠点にしている。その準備だ。毛布以外にあんまり使える物はなくてな」

「ああ、村本先輩が指揮って色々いい感じに三階は改造しちゃいましたからね。学生は一人一部屋ありますし、割と快適に過ごしてますよ」

「なにぃぃ・・・あの野郎」

「まぁ、俺らは俺の寝床を作ればいい」


 そう言って俺と佐治は五階へ向かう。


「先輩、後で俺も行きますんで」

「いいのか?お前は学生グループだろ?」

「別にンな物を市役所行って登録した訳じゃないですし」

「そうか」


 進哉と別れ、俺達は五階を目指して歩き出す。

 ふぅ・・・リア充め。こんな状況でも充実しおって!











新キャラが続々来てますね。そのうちキャラ一覧でも作ってみようと思います(/・ω・)/次回もよろしくお願いします(/・ω・)/

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