第十三話 走れ!
ゾンビ小説定番、ショッピングモールです(/・ω・)/
その倉橋の笑顔を見た時。俺は心の底から良かった・・・と、思えた。
「さてと・・・・」
あれだけ大声を出したんだ。倉橋家の外には感染者が群がっていた。
「ヤバいな・・・流石にこの数は突破出来ないぞ。ここから佐治の家までは距離がある。数で押されたら・・・」
倉橋家は塀で囲まれており、その出入口の門に感染者が押し寄せている。そのうち突破されて雪崩れ込んで来るだろう。
「二人とも、こっち」
そう言って倉橋は手招きをする。
「車庫?」
倉橋が案内したのは車庫だった。
「この車庫のシャッターは外と繋がってるの」
そう言って車庫の明かりを点ける。そこには一台の乗用車があった。
「佐治、運転できるか?」
「無論。俺を誰だと思ってるんだよ?」
そう言って佐治は運転席に乗り込む。倉橋は後ろに乗る。俺はシャッターのボタンを押し、直ぐに助手席に座った。
「さぁ、行くぜっ!」
勢いよく車庫を飛び出した乗用車は感染を跳ね除け、道路に踊り出るが、感染者の一人が車の正面ガラスに激突し、ヒビが入る。
「ちっ、運転しずらい」
そんなのお構いないし、佐治は速度を上げて感染者を次々と弾き飛ばす。感染者の死人の顔が直ぐ直前で飛んで行く。
血がべったりとガラスに着いたり、車に感染者がぶつかる度に衝撃が車内にいる俺達を襲うが、佐治は俺達のことも構わず車を走らせた。
数十分も走れば感染者の群れから逃れることが出来た。しかし、車は感染者と多数衝突したので、装甲はボッコボコ。とてもじゃないが、これでは走れなかった。
「流石にこれ以上の走行は無理だ。ここからは徒歩だ」
俺達は車から降りて走り出す。
感染者はこちらを追いかけて来るが、歩いているので捕まることはない。今は奴らと距離を作って安全を確保しようと。
と、思った矢先に前から感染からやって来た。
「こっちだ!」
二人に声をかえて横道に入る。どうやら、何故こっちにも感染者がいるのか理由は分かった。
ショッピングモールだ。
ここから見える。
その屋上に複数の人間が見えた。こっちに向かって手を振っている。
「くそっ!」
「真鍋君!そこを左に曲がると後ろに出れる!」
「分かった!」
倉橋の助言通り角を左に曲がると、ショッピングモールの裏手に出ることが出来た。が、感染者が横から押し寄せて来る。
「走れ!奴らに構うな!」
横から伸びて来た腕を払い退け、右にそれつつも走る。
「ここだ!」
と、裏手のシャッターが開く。そこに数人の人が指示を出してくれた。
「あそこに!」
走る速度を上げる。が、帰宅部だったもんで体力もそろそろ底を尽きようとしていた。更に死体に躓き、転んでしまう。
「やばっ」
直ぐに起き上がろうとするが、目の前の道は既に感染者で埋まってしまっていた。バットを振りかざして一体始末するが、横から三体同時に来た。
左腕を掴まれた時、
終わった・・・・。
「はぁっ!」
視界から感染者が三体同時に消えた。
「お爺ちゃんが言ってました。この力は誰かを守る為にあるんだって・・・」
倉橋は俺の手を握って走り出す。襲いかかってくる感染者を蹴り飛ばし、トドメを刺さず、無視して行く。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
ギリギリのところでシャッターに滑り込む。直ぐにシャッターが閉まり、ガンッガンッと感染者がこのシャッターを押す音がするが、到底突破出来る訳じゃない。
「ふぅ・・・」
「間一髪だな・・・」
「危ない危ない」
倒れている俺達に男が一人、手を伸ばして来た。
「ん?倉橋さんと、見ない人だな」
クソリア充。村本俊介の姿がそこにはあった。
すみません、最近勉強が忙しくて更新が遅れてます。がんばりますww次回もよろしくお願いします。




