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haunted world   作者: ぞえ
溝島ショッピングモール編
13/42

第十三話 走れ!

ゾンビ小説定番、ショッピングモールです(/・ω・)/




 その倉橋の笑顔を見た時。俺は心の底から良かった・・・と、思えた。













「さてと・・・・」


 あれだけ大声を出したんだ。倉橋家の外には感染者が群がっていた。


「ヤバいな・・・流石にこの数は突破出来ないぞ。ここから佐治の家までは距離がある。数で押されたら・・・」


 倉橋家は塀で囲まれており、その出入口の門に感染者が押し寄せている。そのうち突破されて雪崩れ込んで来るだろう。


「二人とも、こっち」


 そう言って倉橋は手招きをする。

 

「車庫?」


 倉橋が案内したのは車庫だった。

 

「この車庫のシャッターは外と繋がってるの」


 そう言って車庫の明かりを点ける。そこには一台の乗用車があった。


「佐治、運転できるか?」

「無論。俺を誰だと思ってるんだよ?」


 そう言って佐治は運転席に乗り込む。倉橋は後ろに乗る。俺はシャッターのボタンを押し、直ぐに助手席に座った。


「さぁ、行くぜっ!」


 勢いよく車庫を飛び出した乗用車は感染を跳ね除け、道路に踊り出るが、感染者の一人が車の正面ガラスに激突し、ヒビが入る。


「ちっ、運転しずらい」


 そんなのお構いないし、佐治は速度を上げて感染者を次々と弾き飛ばす。感染者の死人の顔が直ぐ直前で飛んで行く。

 血がべったりとガラスに着いたり、車に感染者がぶつかる度に衝撃が車内にいる俺達を襲うが、佐治は俺達のことも構わず車を走らせた。

 数十分も走れば感染者の群れから逃れることが出来た。しかし、車は感染者と多数衝突したので、装甲はボッコボコ。とてもじゃないが、これでは走れなかった。


「流石にこれ以上の走行は無理だ。ここからは徒歩だ」


 俺達は車から降りて走り出す。

 感染者はこちらを追いかけて来るが、歩いているので捕まることはない。今は奴らと距離を作って安全を確保しようと。

 と、思った矢先に前から感染からやって来た。

 

「こっちだ!」


 二人に声をかえて横道に入る。どうやら、何故こっちにも感染者がいるのか理由は分かった。

 ショッピングモールだ。

 ここから見える。

 その屋上に複数の人間が見えた。こっちに向かって手を振っている。


「くそっ!」

「真鍋君!そこを左に曲がると後ろに出れる!」

「分かった!」


 倉橋の助言通り角を左に曲がると、ショッピングモールの裏手に出ることが出来た。が、感染者が横から押し寄せて来る。

 

「走れ!奴らに構うな!」


 横から伸びて来た腕を払い退け、右にそれつつも走る。


「ここだ!」


 と、裏手のシャッターが開く。そこに数人の人が指示を出してくれた。


「あそこに!」


 走る速度を上げる。が、帰宅部だったもんで体力もそろそろ底を尽きようとしていた。更に死体に躓き、転んでしまう。


「やばっ」


 直ぐに起き上がろうとするが、目の前の道は既に感染者で埋まってしまっていた。バットを振りかざして一体始末するが、横から三体同時に来た。

 左腕を掴まれた時、

 

 終わった・・・・。


「はぁっ!」

 

 視界から感染者が三体同時に消えた。


「お爺ちゃんが言ってました。この力は誰かを守る為にあるんだって・・・」


 倉橋は俺の手を握って走り出す。襲いかかってくる感染者を蹴り飛ばし、トドメを刺さず、無視して行く。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」


 ギリギリのところでシャッターに滑り込む。直ぐにシャッターが閉まり、ガンッガンッと感染者がこのシャッターを押す音がするが、到底突破出来る訳じゃない。

 

「ふぅ・・・」

「間一髪だな・・・」

「危ない危ない」


 倒れている俺達に男が一人、手を伸ばして来た。


「ん?倉橋さんと、見ない人だな」


 クソリア充。村本俊介の姿がそこにはあった。




すみません、最近勉強が忙しくて更新が遅れてます。がんばりますww次回もよろしくお願いします。

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