第一話 いつもの朝
ゾンビものです。てきとうに読んでくださいww
ピピピピ・・・。
「せいっ!」
渾身の一撃を目覚まし時計に食らわせ、俺はその場に立ち上がった。二度、三度体を捻ると、直ぐに制服に着替え朝食を取る。
鞄に教科書を突っ込み、玄関へと歩き出す。
眩しい朝日が俺を照らすが、恥ずかしいのか俺は手でその日を遮りながら歩き出した。
三年生が始まって二週間。
私立楓ケ丘高校に通う俺は進路という大きな壁にぶち当たっていた。やりたいことはないし、いい大学にいける程の学力は持ち合わせていない。
しかし、既に進学という道を選んでしまった俺には悩ましい問題だった。
そんな問題を抱えつつも俺は学校に向かう。
桜の花も散り始めたこの頃、俺はふと立ち止まった。同じ制服を着た生徒達が和気あいあいと通り過ぎていく。
新学期なのか、皆の顔はウキウキと希望を抱いていた。
それを見て俺は一つ思った。
平和だな・・・・・と。
真鍋蓮太郎。恐らく俺は生まれてから死ぬまで一生この名前で暮らしていくつもりである。二度目になるが、この溝島市私立楓ケ丘高校に通う高校三年である。
成績は普通。運動神経はそれなりに。顔は・・・謙虚な俺はここは普通と答えておこう。性格は・・・まぁ、明るいのか?自分の性格をちゃんと知っている奴なんかいないから、ここはてきとうに答えておく。
さてさて、俺の自己紹介はこんなものでいいか。別に誰かに語るほどの壮絶な過去を俺は持っている訳でもない。
ただちょっと、ゾンビ映画が好きなぐらいだ。
靴を履き替え、自身のクラスの三年B組に入る。
「おっ、蓮太郎。おはよう」
「おっす、佐治」
一番に俺を出迎えたのは木島佐治。長身メガネの友人である。別にこれといって熱い友情を持っている訳ではないが、世話焼きか知らないが、ちょいちょいノートをこいつに貸してる。そのうちアニメやらゲームの話で盛り上がって仲良くなった。
「眠そうだな?」
「そうか?俺はいつもこんな感じだ」
「俺が貸したギャルゲだろ?」
「無論」
「即答かよ」
「何を言う?俺は正直に話しただけだ。何も問題はあるまい」
自分の席に着きながらそう言うと、頬を着きながら窓の外を見た。そよ風に揺られて桜の花びらがちらほらと飛んでいる。
気持ちよさそう・・・。
「まったく、目が死んだ魚みたいだぞ?」
「元からこういう目をしてんだよ」
「ていうかさ、朝から英語とか勘弁してほしいんだけど。予習もクソもねぇよ。ひでぇよ」
「知らねぇよ。予習やって来てないお前が悪いんだろうが。まぁ、月曜の朝から英語とか俺も泣けてくらぁ」
後半棒読みだが、しっかり俺の気持ちは伝えた。
「きゃー!」
「村本君が来た!」
「村本君!」
・・・・・。
入り口が随分とうるさい。
「なぁ、佐治」
「どうした?同士よ」
「俺が思っていること、お前も分かるよな?」
「人の価値は外見じゃないってことか?」
「流石」
少し間を置いて佐治は言った。
「まぁ、村本俊介は実際性格もイケメンだけどな」
「ぐはっ!」
クソ、爆ぜろリア充。
「おーい、HRだ。席に着けぇ」
担任が入って来るなり、生徒は散り散りになり、自分の席に座った。
それから一限目の授業、つまり英語が始まった。
英語教師がペラペラと英単語を並べて話しているが、英語嫌いの俺にとってはさほど重要な授業ではない、
赤点回避すればそれでよい。
また窓の外を見た。
つまらない日常とつまらない未来。決して望む訳ではないが、俺はこの世界自身をつまらないと思っていた。
ならば敢えてここで言っておかなければならないセリフがある。
幾多の先人たちが乗り越え、そして吐き捨てて行ったこの言葉。
「つまんねぇなぁぁ・・・」
一話を最後までお読みくださってありがとうございます。一話ではあまり進行しませんでしたが、二話から色々と話が始まっていきます。おかしな点や誤字脱字があれば何卒、ご指摘ください。今後とも、よろしくお願いします(/・ω・)/