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アヴェンジャー:世界が俺を拒絶するなら:現世編  作者: 藤谷和美
サイドストーリー第四話 ミッシェルの憂鬱
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ミッシェルの憂鬱: 武装洗礼

 碧の家の居間で、栞奈とミリアムはソファーに並んで座っていた。


 ソファーに腰掛けた二人の前にはガラスの低いテーブルがあり、その中央部には色とりどりの花でフラワーアレンジメントされた小さな小鉢が置いてある。


 裕福そうな部屋の広さは16畳くらいだろうか、二人の後ろと左側には大きな出窓があり、遠くの山並みが薄らと見えていた。

 反対側には暖炉を模したファンヒーターが設置されていて、その上には青い薔薇のプリザーブドフラワーや置物や民芸品などがいくつか雑多に置いてある。


ガラステーブルを挟んで、二人の正面には碧が座っていた。


 栞奈は危険を覚悟しつつも、超一級の接近戦闘職であるミリアムが一緒に居ることで、碧の家を訪れる事にしたのだった。

 本来であれば、もうすこし情報が集まって疑念が確信に近くなってから、最終確認のために碧の家を訪れるつもりだった。


 その時は、自分一人では無くパーティのみんなの応援を得た盤石の体勢でと思って居たのだが、降って湧いたこのチャンスも逃したくなかったのだ。



「今夜は学校の友達も呼んでるんだけど、父が明日には日本を発つから簡単なパーティをやるの。 二人も参加してくれないかしら?」

 そんな事を、当日になってから極めて当たり前のように言い出すのも不思議なのだが、平然と二人を誘う言葉を投げかけられた。


(そういう事は、普通なら家族だけでやる事なんじゃないかな?)

 栞奈は、そう思った。


>>ミリアム・エリストス: ミッシェル姉さんが良いなら、あまり遅くならない限り、あたしは構わないかな。

 二人の関係を、まだ掴みかねているミリアムが栞奈に念話を投げかけてくる。


「うーん、悪いけど(遅くなるのは、この子のご両親が心配するから)…… 」

 ミリアムをダシに使って、断ろうとする栞奈。


「もちろん、遅くならないようにするから安心して! 今夜は新月だし、暗くて物騒だから家までちゃんと送るわよ」


 まるで栞奈の言い訳を知っているかのように、碧が笑顔で先回りをしてきた。


(まるで、私の心の声が聞こえてるみたい)

 栞奈はそう思うと、ぞくりと背中に冷たい物が走るのを感じた。


「でも、この子はまだ中学生だか…… 」

「みなさん、いらっしゃい」

 ミリアムが、まだ中学生だと言う事を理由にしようと言いかけた時に、碧の母親がトレーに紅茶とケーキを乗せて入ってきた。


 先程、碧と偶然出会ってから妙にタイミングを狂わせられている感じがすると栞奈は感じていた。

 ことごとく、栞奈の先手を打つように物事が流れているように思えるのだ。

 碧の母親の登場のタイミングも、栞奈の言い訳を潰すのには絶妙だった。


 栞奈の脳裏に、貴史が赤い目に豹変する前に言ったことが思い浮かぶ。


 それは、常々栞奈が心で考えていた事だっただけに、他人から指摘されると余計に心に沁みる言葉だった。

 だからこそ、普段なら断る筈の貴史の同行を断り切れなかったのだ。


 そして、碧と出会った時の会話。

 あれも、今から考えてみれば不自然だ。

 口先で栞奈に敵う人間などそうそう居ない筈なのに、あっさりと先手を打たれてしまっている。

 しかも、自分の思考能力も不自然に落ちているように感じる。


 相手の思考を先回りして知る事が出来るのなら、その相手の行動を自分に都合よくコントロールする事は容易いだろう。

 もちろん、それなりの思考能力や狡さが必要になってくるが、まんまと栞奈は嵌められたと感じた。


(何か、不味い事が起きている!)

 栞奈は、そう自覚した。

 そして、早計に碧の誘いに乗って自宅まで訪れた事を悔やんだ。


 目の前にはいつの間にか碧の母親が置いた紅茶と、イチゴが沢山乗せられたショートケーキが置かれていたが、動揺している栞奈の目には入らない。


(これは、私の過信によるミスだ)

 栞奈は自らの能力を過信していた事を恥じ、迂闊にも窮地にミリアムを巻き込んだ事を悔やんだ。


 相手が人間では無い可能性も計算に入れて警戒もしていたはずだった。

 それなのに目の前の碧に対しては、どうしても人間相手の範疇で対応をしてしまっていたのだ。


 あれほど、疑念と違和感を持っていたと言うのに……

 そこまで考えて、栞奈は目の前に置かれた紅茶とイチゴケーキに気が付いた。


「<<ミッシェル・クロフォード: ミリアム! そのお茶を飲んではダメ。

>>ミリアム・エリストス: え、どういう事なの?


 ミリアムの方を見ると、口に白いクリームを付けて紅茶のカップを口に含んだまま、事情が判らないという顔で栞奈の方を見ていた。


「二人とも、とても興味深いわ。 後でじっくり聞かせてもらおうかしらね」


 碧が勝ち誇ったような顔で、何か面白いものを見つけたかのように、話しかけてきた。

 その横に無言で立っている碧の母親も不気味だった。


 しかし、ケーキを食べて紅茶を飲んだミリアムに状態の変化は見られない。

(そんな!私の気にし過ぎって事なの? でもそんな訳は…… )


>>ミリアム・エリストス: 状態異常解除キュアよ、キュア!


 解毒と状態異常を解除するスキルの『キュア』をミリアムは使っていた。


>>ミリアム・エリストス: だって勿体ないじゃない、美味しそうだったし。

<<ミッシェル・クロフォード: バカ!心配しちゃったじゃないの、もう!

>>ミリアム・エリストス: テヘペロ!


 栞奈は、思わず頭を抱えそうになる気持ちを振り切って、目の前に座っている碧に向き直る。


 碧は、珍しい物でも見たような顔をしてミリアムに声を掛けた。

「ミリアム、あなた何かしたみたいね。 見た所普通の人間のようだけど、テヘペロとは何かの呪文なのかしら?」


>>ミリアム・エリストス: げっ!テヘペロって、やっぱりもう死語なの?」

<<ミッシェル・クロフォード: よく考えて! ミリアムは一度もテヘペロって口に出してないわよ。

>>ミリアム・エリストス: げげげっ、言われてみれば!


「あなた本当に碧なの? 少なくとも私の知っている碧は、他人の心を読めるような怪しい子じゃ無かったわ」


 栞奈はソファーから立ち上がって、目の前の碧に人差し指を突きつけた。

 ミリアムも、それに倣って立ち上がり身構える。


<<ミッシェル・クロフォード: この二人から目を離したらダメよ! 何か動きがあったらすぐにキュアをお願い。

>>ミリアム・エリストス: オッケー任せて!


 その時、栞奈とミリアムの危険感知スキルが発動し首筋に違和感を感じる。

 同時に風景がスローモーションに変わるが、目に見えて動いている物が存在しない視界内では、それを知らせるものは違和感だけしかない。


 それでも反射的に右に動いて、どこから来るのか判らない何かの攻撃を躱そうとはした。

 ミリアムも、栞奈に倣ったのか反射的な動きなのか、右に身を躱す動きをしていた。


 しかし、ゆっくりと横に動きながらも注意を払っていた碧と碧の母親には、何もおかしな動きは見られない。

(じゃあ、別の誰かがこの部屋に…… !! )


 タイミングを合わせるかのように部屋に入ってきたのは、碧の父親だった。


(この人が? 違う、これは陽動だわ!)


 首に感じる違和感に強烈な指向性を感じて怖気が走り、碧から目を離して右を振り向く栞奈。

 暖炉を模した暖房器具の置き場に飾られた雑多な民芸品に中に、それはあった。


 黒く燻されたような全身の色、細長い逆三角形の頭には長く折れ曲がった二本の角がある。

 そして全長20cmに満たない程の痩せた体に不似合いな黒い乳房と閉じられたコウモリのような翼がある人形が、両手を天に向けて胡座の姿勢で置かれていた。


 その人形がまるで生きてるかのように、赤い目で栞奈を凝視していた。

 人形の全身からは、黒い闇が部屋を覆い尽くすように吹き出しているように見えた。


 その目を見た途端、視界いっぱいに赤い目が広がる。

 そして全身に悪寒が走り、栞奈の目の前が薄暗くなってくる。


<<ミッシェル・クロフォード: 『アンチマジック・シールド!』『アンチマテリアル・シールド!』


 ミリアムにも自分が使ったスキルが聞こえるように、念話を通じてスキルの名称を唱えた。

 ミリアムから『状態異常解除キュア』を唱える声は聞こえなかった。


 隣でドサッと重いものが、床の柔らかな絨毯の上に倒れかかる音がする。

 薄れ行く意識の中でミリアムが床に倒れ込んだのが視界の隅に捉えられた。

 すでに攻撃は終わっているのか、先程まで発動していた『見切り』は効果が途切れている。


「まだ明るいから、合格品のあなたはあるじ様復活の儀式が開始されるまで、眠っていてもらうわよ。 隣のミリアムとか言う胸の薄い子は、確かめるまでも無く不合格ね」


 薄れ行く意識の中で、碧の声が聞こえる。

 碧の発言がまだ聞こえていたのか、力を振り絞って中指を立てて見せたミリアムの右手が、すぐに力尽きて床に倒れた。


 必死で薄れ行く意識に対抗しようと目を開けると、窓から遠く和也の実家がある山々が薄らと見えた。

「廃人くん…… 」


 みんなを守る為に廃人くんが作ってくれた魔法装備を使う機会も失い、ミリアムをも無駄に巻き込んでしまった事で、和也に心で詫びる栞奈。

(ごめんなさい)

 そう心の中で呟いたところで、栞奈の意識は途切れた。



 栞奈が気が付いた時、もう窓の外から見える空は、夕暮れが近い色になっていた。

 少し身動きをして確認すると、自分とミリアムは洗濯用のロープで両腕と両足を縛られている事が判る。


 周囲を見回せば、そこは収納部屋らしかった。

 狭い部屋の中には、きちんと整理された日用品や大型の掃除用具などが置いてある。


 窓から見える風景から考えると1階ではなく2階の部屋らしいと、栞奈は判断して、まだ気を失っているミリアムを揺すって起こした。


「ミリアム、今のうちに馬鹿力でお願い」

 半分寝ぼけているようなミリアムだったが、栞奈の意図を察するのは早かった。


状態異常解除キュア!』

身体能力向上ブレッシング!』


 キュアで強制的に己を覚醒させると、次にブレスで身体能力を増大させる。


 一見華奢に見えるミリアムが軽く力を込めると、ブチブチッと音を立てて太い洗濯ロープが、まるで古びて脆くなった細い糸のように簡単に千切れた。


 2階の異常を感知したのか、階段を慌てて駆け上がってくる音がする。

「あそこの屋上にテレポートして!」

「ういうい!」


 栞奈の指示で素早くミリアムが栞奈の手を取り、窓から小さく見えるマンションの屋上を凝視すると、テレポートで跳んだ。


 二人の姿が消えた次の瞬間、物置部屋のドアに掛けられた鍵を開けて、碧の父親と母親が飛び込んできた。


 慌てて部屋の中を見回すが、既に二人の姿は無い。

 部屋の床には、千切れた洗濯ロープが残っているだけである。


 100mは離れている10階建マンションの屋上から、碧の家の方向を見ている栞奈とミリアム。

 碧の家は、ちょうどマンションの横を通っている広い直線道路の突き当たり、言わばT字路の正面に位置していた。


「あの変な人形、見た?」

 栞奈が、隣のミリアムに問いかける。


「うん、真っ黒で修学旅行で見た比叡山の元三大師が鬼に変身した時の顔に似てたけど、あれって胸があるから違うよね」

「どっちかと言えば、鬼より悪魔じゃない?」

 ミリアムが連想した物の姿は栞奈も知っている。


 確かに痩せていて全身が真っ黒で、その上長い角が生えている全体の印象はつの大師だいしと呼ばれる存在に似ていたが、比叡山のあれは疫病を退治した魔除けの存在で、人に危害を加えるものでは無い。


 淫靡な雰囲気をも漂わせている黒い像から栞奈が感じたのは、どちらかと言えば西洋の悪魔に近い存在だった。


 そこから迂闊にも敵に囚われてしまった事に記憶が到り、深く反省をした。

 口には出さないが、まだまだ異常を感知してから実戦モードに入るのが遅い事を自覚していた。


 和也の家で行われた1回目のオフ会で、和也が言ったことが栞奈の脳裏に蘇る。


『どうしても今までの常識に邪魔されて、いざと言うときにスキルを使うのを戸惑っちゃうんだ。』

 和也は自嘲気味に、そう言って笑っていた。


 栞奈も実際にスキルを手に入れて真っ先に考えたのは、これを誰にも知られてはいけないという事だった。

 皆が誰も持っていない、超常的な力を持っている事が世間に知れてしまえば、もはや平和に暮らせないだろう事は17歳の栞奈にも想像はつく。


「平和なこの世界では、躊躇無く反撃が出来る方が異端なんだよ」


 パンギャは、そう言って和也を慰めていた。

 そういう事が出来るのは、反射的に動けるように訓練を繰り返した者だけなのだそうだ。

 あるいは、心の何かが壊れた人間だけなのだと、パンギャは言っていた。


 栞奈は何かを決心したように頷くと、アイテムBOXからコンポジットボウを取り出した。


念矢創製クリエイト・アロー

 矢を造り出すスキルを使って、矢筒を念の矢で満たすと一本の矢を掴んだ。

 矢を弓につがえると、キリキリと無造作に弦を引き絞る。


『鷹の目』が同時に発動した。

 マンションの屋上から小さく見える、碧の家の一階の窓が急拡大されて、居間の様子が詳細に見える。

ソファーの向こう側、窓上側ギリギリ見えるのは、あの悪魔人形だった。


 矢を放とうとした直前、窓の中に立ちふさがった碧の姿が見えた。

 彼女は、両手を広げて自らを盾にしていた。


 碧は赤い目をして、離れた場所にいる栞奈を睨んでいた。

(気付かれた? まさか! どうして?)


「どうしたの?」

 構えたままで中々矢を放たない栞奈の様子を不審に思って、ミリアムが問いかけてきた。

 ミリアムからは、100m以上離れた碧の家の様子は判らない。


「こっちの動きを読まれてる」

 相手の次の動きが読めず、そしてまた碧から目を離すことも出来ず、矢を構えたままで返答する栞奈。


 碧と栞奈、二人の視線が識別出来ないはずの距離で絡み合う。

 栞奈の視界の中で、碧の口が動いた。


 顎を閉じたまま小さく開いて突き出した碧の唇が、顎の僅かな動きと共に少し開いて再び突き出された。

 あいうえおで言えば、「う」・「あ」・「お」の動きである。


(む・だ・よ…… 無駄よ?)


 そう言っているように見て取れて、同時に栞奈の背筋に悪寒が走り、危険感知のスキルが反応した。


 碧の家から、いくつもの黒い煙のような闇が飛び出してきたのだ。

 それが夕暮れの空を飛びながら魔物の形に姿を変えて、栞奈たちに迫ってくる。


 それは、昨日体育館で見た魔物の姿だった。

 それが一体だけではなく、何体も居る。


「ミリアム! 聖水をお願い!」

 試すならここだ!と判断して、ミリアムに聖水を要求する。


 火(炎)属性、地属性、水(氷)属性、雷属性、風属性、毒属性であれば、該当する属性石さえあればクリエイトアローで事足りるし、弓そのものに属性を持たせることも出来る。

 しかし、聖属性だけは聖水が無ければどうにもならない。


武装洗礼バプタイズ!』


 ミリアムが聖属性付与のスキルを唱えると鐘の音が鳴り響き、金色に光る聖水の瓶が空中に出現して割れ、光り輝く聖水を栞奈の弓に降り注いで消えた。


三重トリプル追尾射撃ホーミングアロー!』

 栞奈が同時に放った三本の矢が金色に輝く軌跡を残して、迫り来る魔物に向かって行く。


 攻撃を躱そうと軌道を変える魔物を追尾して、金色の矢も軌道を変えた。

 逃げ惑う魔物を何処までも追いかけて行く金色の矢は、その速度差によって魔物との距離を詰めて行く。


 矢に追われていない残りの魔物は、もう目と鼻の先まで来ていた。

栞奈とミリアムには、既に『見切り』が発動している。


武装洗礼バプタイズ!』


 ミリアムがアイテムBOXから取りだしたソードメイスに聖属性を付与して、栞奈に迫る黒い魔物を叩き落とした。

 そして自らにも迫る黒い魔物に向かってソードメイスを振り上げる。


 上空では、ホーミングアローから逃れられなかった黒い魔物が3体、浄化されると光の粒に変化して消えた。

 ミリアムに叩き落とされた黒い魔物も、浄化されて光の粒に変化して消えて行く処だった。


「聖水、いけるわ! 敵は不死・悪魔属性って事ね」

「よっしゃー!」

 栞奈のゴーサインに、ミリアムがガッツポーズを見せる。


 一安心して碧の家を振り向けば、次々と黒い闇が薄暗くなってきた空に飛び出して来ているのが見える。


「一旦引くわよ、ここは目立ちすぎるわ」

「オッケー、あの公園で良い?」

「お願い、あの数を相手にするのは二人じゃ大変よ」


 ミリアムは、栞奈の手を掴むと土曜日に待ち合わせをした公園にテレポートした。


「ひとまず、人通りの多い場所へ移動しよう。 向こうも今夜の儀式を終えるまでは派手な動きは出来ないはずよ」

「儀式って?」


 走り出す栞奈と、それを追って走るミリアム。

 栞奈の言う儀式の意味が解らず、前を走る栞奈の背中に問いかけた。


「判らないけど、あるじ様って言ってたから、碧に取り憑いている何かよりも、もっと強力な物を呼び出す儀式なんだと思う」


「あたしが不合格って、どういう事なの?」

 ミリアムが意識を失う寸前に、碧に言われた事を思い出して質問をしてきた。


「たぶん、儀式には…… 」

 そこまで言いかけて、栞奈は少しの間だけ言い淀む。


「わたしの想像なんだけど、たぶん儀式には男の人をまだ知らない女の子が必要なんだと思うの。 そしてそれだけじゃなくて胸が小さい子は…… たぶん魔像が求める条件に合わないんだと思うの」


 栞奈は走りながら、碧が何人もの条件を備えている女の子の胸を鷲掴みにして、それが偽物では無い事を確かめていた事を話した。


「なにそれ!超むっかつくわぁー。 エロ魔像は絶対にあたしが叩き殺す!!」

 久々に感じるミリアムの本気の殺意に、栞奈は少しだけ肩をすくめて見せた。


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