表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

-陰りと光-

更新です。

今回は間を開けたにも関わらず、非常に少ない文章の更新です。

申し訳ありません。

雨季の期間は一週間程だった。

晴れ間を挟んで七日間降り続けた雨だったけれど、過ぎてみればからり(・ ・ ・)と空気は乾いて、空は晴れ、すっかり暖かい季節となっている。

隣国への行程もそろそろ半分を迎える頃で、それに合わせる様に、魔王の噂やモンスターの被害が耳に付く様になってきた。

雨季が終わり3日。

王城を出てから、既に15日、半月が過ぎていた。

緑の溢れる森が左右に伸びて、木漏れ日の中を小鳥がさえずり回る。

その音に合わせる様に軽快に流れる風が、アレスの髪を揺らしては吹き抜けていった。

爽やかな風は、吹かれるだけで気持ちが高まる様だった。

けれど。

3人とも、表情は変わらず硬かった。

アレスは、どこか決意の籠った表情で。

スタンは、どこか不安の交った表情で。

そして。

エマは、とても辛そうな表情で。

行先に広がるその道を、きつく睨み付けていた。

まるで、その先の誰かを睨み付ける様に。

少しだけ悲しくて、鞘と一緒に、かちゃかちゃと耳障りな音を立てた。



ふと晴れた空を見て、考える。

私達が戦うべき相手は、魔王だけだろうか。

魔王の手下だというモンスターも、勇者が倒すべき相手なのだろうか。

大抵の場合、それらのモンスターはこの国は兵士が強者ぞろいと言う事で問題無いらしいけど。

けれど、それならモンスターの被害に有っているという隣国に着いた時、私は思いの他早く誰かを斬る覚悟をしなくてはいけない、という事だろうか。

誰で有ろうと、この身で傷付けるのは耐えられない。

誰かが傷付くのを見るのも嫌なくらいなのに。

本当、私は伝説の剣には向いて無いようだ。

いっその事、もっと冷徹な何かで有れたら、楽だったかもしれない。

けれど。

もしもっと冷徹な何かだったら。

彼のすぐ傍にいるこの温かみも、感じなかったかもしれない。

これからする事。

彼に出会えた事。

その二つを考えながら、私は空を見上げる。

広く真っ青な深い青、その中天に浮かぶ眩しい光。

ゆっくりと、雲がその光へと近付いていた。


これからする事。


雲は、段々と太陽を覆うように流れる。

緩やかな風はけれど止むことなく、雲を乗せて運んで行く。


彼と、出会えた事。


遂には、流れるその雲に、太陽は覆い隠されてしまった。

私は何だか悲しくなって、彼の隣で地面を見つめた。


でも。


「…………綺麗だね」

そう言って、彼の手がそっと、私の柄に触れる。

その声に導かれる様に空を見上げると。

太陽を覆うように、風に延ばされて広がった雲。

その雲すら、太陽の光を遮る事が叶わないと言うように、雲を突き抜け、眩しい光はこちらを見返した。

雲に遮られて尚、いや、太陽はその光を柔らかくして、こちらを照らす。

緩く動く雲の動きに合わせる様に、ひらひらと光は揺れ動き、その動きはどこか神秘的だった。

決して力強くは無く、どこか不安定で、けれど柔らかで優しげな。


彼と、出会えた事。


私はそれを、決して後悔しない。



次話の更新で、少しだけ物語は動くと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ