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メイリア  作者: えcs
3/3

俊太と義和の学校生活

俺の名前は吉村厳蔵(よしむらごんぞう)42歳。独身だ。

俺は花蜂市立中学で生徒指導を15年やっている。当然生徒指導というのは生徒からは受けが悪い。怒られて嬉しい奴はいないだろう。当たり前だ。

そして当たり前に生徒指導というのは怒りの種だし、悩みの種でもある。

今日もまた俺を悩ませる奴が校門目掛けて走ってくる。よし。

「おい!お前ら!今日もまた遅刻か!?」

俺はいつもと同じように必死でこっちに向かってくる1人に怒鳴る。

そしてやっぱりいつも通りこの糞暑い中、ブレザー、ネクタイ着用で、しかも本を片手にそいつは時計から目を離し叫ぶ。

「先生!私は遅刻など一度もしておりません!」

必死の顔で言い返してくるヤツ。奴は俺の前で止まり、俺に向かって敬礼する。当然こんなふざけた態度に毎度の事ながらイライラする。しかしコイツは冗談で俺に敬礼をしているのではない。コイツの家系は父がドイツ人。母親が日本人のハーフらしい。コイツの家族は全員軍人上がりで、唯一この目の前の松墨 義和だけは軍人になりたくないので親に講義して、警察官になることで了解を貰ったらしい。

まったく。世の中意味不明な人間が多いものだ・・・・・・・・うぅ・・・いかん。俺は教師だ。

「俺が言っているのはそういう問題ではない!毎度毎度制服にクリームや魚の鱗つけて、しかも遅刻寸前で来やがるお前らは俺の苦労を知っているのか!毎日毎日チャイムが鳴る寸前まで俺はこの炎天下の中立っているんだぞ!」

俺は乾いた喉をフルに振動させてまた怒鳴る。あぁ・・・最近喉が痛いのはコレの所為か・・・・・・。益々目の前のコイツがムカついて見える。

「ハッ!すいません!以後気をつけます!」

「分かったらいい。」

まぁ・・・また明日同じ事が繰り返されるんだろうが・・・・・・。

そこで俺はふと違和感を覚える。なにか重大な問題があるような・・・・・・・あっ!

「おい!桂木 俊太はどうした!」

「ギクッ!」

目の前のコイツの体が過剰に反応を示した。と言う事はもう1人のヤツはどこから来る?もうチャイムは鳴っている。校門から来るのは間違いなくないだろう。どこだ?どこから入ってくる?

「ガサッ!」

それは俺にしか聞こえないだろう。

かなり遠くの草が擦れる音。15年生活指導をやっている俺ははっきり言って鬼だ。地獄耳だ。

獲物はどこかに潜んでいる。

通常この学校には校門以外の出入り口が4つある。

裏門、西門、東門、体育館裏の門。

普通の奴ならここの4つを探すだろう。だが俺も伊達に15年生活指導の鬼と呼ばれているわけじゃぁない。

その4つの他に後2つ出入り口がある。そう。先代の遅刻常習犯達が作って使用していた抜け道。これを使えば誰にも見つからずに校舎に忍びこめる。

そう。

俺1人を除いては。

俺は直立不動の松墨に、

「もういい!教室に行け!」

「い、イエッサー!」

俺の号令?と共に、逃げていくように立ち去る松墨。俺はそれを見送ると同時に2つの内の一つ目の抜け道に向かって走る。

ちなみに抜け道は元からあるようなドアのような物ではなく、何かによって開けられた穴である。

先代の遅刻常習犯に聞くと、

「俺は何にもやってないっす〜」

などと、ぬかしたのでDDTを喰らわしてやった。

「はぁ・・は・・ぁぁ・・・ぁ・・・それ・・にし・・ても・・・・・・・・・・・・最・・・近・・・運動・・・ぶ、不足・・・・・・・だ・・・な・・・はぁ・・・ぁ・・ぁ」

そんな弱音を口にしながら俺はやっとの思いでプールの裏にある一つ目の抜け道に着く。

うむぅ・・・ここにはいないか・・・・・・・・

俺は疲労困憊の体に鞭を打って再度走り出す。

さすがに俺も老化を感じてきた。

やっとのことで俺は体育用具室の隣に開いている少し小さめの穴、2つ目の抜け道に着く。

だが、

誰もいない。

人一人いやしない。



まさか・・・・・・・・・・・!


俺はある一つの考えが頭に浮かび、攣りかけの足をフル回転させる。

目指すは2A−3組!

下駄箱を通り階段を上がる。

途中何人かの教師に、

「職員会議が始まりますよ!」

と叫ばれたが気にしない。

今日という今日は!

そうこう考えている内に目の前には『2A−3』と書かれた看板?がぶら下がっている教室の前までたどり着く。

中では朝のSHRを待つ生徒達の話し声が聞こえる。

その中で一際大きい声。

「いやぁ〜虎虎虎!我奇襲に成功せり!わははははは!」

「桂木ぃぃぃ!!!!!!!」

俺はドアを蹴飛ばして教室に入る。

クラスの生徒は話を一瞬中断したが、

ヤレヤレ・・・またか・・・・・

という顔をして、また会話に熱中し始める。教師である俺を完全無視だ。

俺もそんな反応を無視して、頬を引きつらせている桂木の机に近づいていく。

「いやぁ!今日もカッコいいですよ!先生!」

「そうか。」

「そのイカス髪型!最高です!」:

「そうか。」

「え〜と・・・何故にそんなに怒っていらっしゃるので?」

「ふふふふふふふふふふふふふふふ」

「あのぉ・・・メガワラッテナインデスガ?」

俺は桂木の質問に顔の笑みで返す。

そして、

「貴様!今日どこから入った!毎度毎度フザケおって!答えろ!」

俺は胸倉を掴み問う。

「お、俺ですか!?今日は俺遅刻してませんよ!」

「嘘を吐くなぁ!!!!!」

「ほ、本当です!なぁ!ヨッシー!」

「・・・・・・・・・・・」

「無視かよ!!!」

「ほぉ・・・・証言者はいないな!さぁ吐け。今すぐ答えろ!」

親友に裏切られた桂木は泣きそうだったが、俺は容赦なく問い詰める。

「・・・・・ボソッ・・・・・・・」

「あぁ!聞こえないぞ!」

「こ・・ん・・ら・・」

「はっきり言わんか!」

「こ、校門からです!」

「何ぃ!?だが俺がいただろう!」

「向こうに土袋投げておびき寄せたんですが・・・」

「な、なんだとぉ!」

そうか・・・・あの ガサッ という音はこいつの罠だったのか・・・・・・ん?待てよ・・・それじゃ俺はコイツの罠にマンマと引っかかったのか!

「おのれぇ!桂木ぃ!!覚悟しろ!今日という今日は」

「そんなの先生の知能の所為じゃないですか!」

「問答無用!」

俺は柔道5段だったりする。

俺は桂木の襟を掴み投げた。いや、投げようとした。だが何故か俺の体が宙に舞い、桂木の姿が遠ざかる。

そして床に倒れる俺。

向こうから桂木の声が聞こえる。

「す、すんません!いや、殺る気はなかったんです!つい稽古のときみたいに反射神経で!」

「け、稽古?」

俺は背中を押さえながら尋ねる。

桂木は俺に目線を合わせないで答える。

「ええ。俺合気道ってのやってるんです・・・・・・だから・・・・その・・・・・・反射的にやってしまったのは・・・・・そのぉ・・・先生が・・・・隙だらけだったので・・・・・・・・・・」

俺はまだ痛む背中を摩りながらまた質問する。

「階級は?」

「は?階級ですか?免許外伝です。」

「な、何だと!」

「えぇ!?俺なんか悪いですか!?」

桂木は俺から飛びのく。

「い、いや・・・少し驚いてな・・・・・・・も、もういい。SHRが始まるぞ。もう席に着け。」

「は、はい!」

俺は痛む背中を押さえながら教室を出る。

「それにしても・・・・・・・」

あいつがそんなにすごいなんて・・・・・・・免許外伝だと・・・・ふざけるな・・・あいつの年で取れるわけがない。

だが・・・・あの襟に触れた瞬間に目の前で何かが爆発したような感触・・・・・・く・・・すごいな・・・・・・・まぁいいか・・・・俺もまだまだ修行しなければいけんな・・・・・・

俺は色々なことを考えて職員会議中の職員室に入った。






場所は俊太たちの教室に戻る。

喧騒が止まない教室に1人ひっそりと机に突っ伏している俊太。

その隣で黙々と本を片手にブレザーに付いたクリームをふき取る義和。

それまで突っ伏していた俊太が起き上がり、義和に抗議の声を上げる。

「どうして俺を庇わなかったんだよ!」

「開口一番にそれですか。」

「うるせぇ!何故友を見捨てたぁ!松墨義和!貴様それでも日本男児かぁ!」

「この場合半分日本男児の私はどうすればいい?」

「う・・・・うるさぁい!俺の質問に質問で答えるなぁ!」

「お前の質問とやらは怒鳴り声にしか聞こえん。」

「うるさいぞ。答えろぉぉぉ!」

俊太は机に両腕を叩きつけて問う。

そして義和は一言。

「真実はいつも一つ・・・・・・ププッ」

「面白くねぇぇぇ!!!」

今度は机をちゃぶ台?返しさせる俊太。

「大体、下の毛が生え揃ったような奴がコ○ン君のイメージを汚すなぁ!!」

「ふっ。朝から下ネタとは・・・・・・呆れますよ。」

「朝からショーモないギャグ飛ばすな!」

俊太が机を立て直し、また蹴り倒す。

「ふぅ・・・ふぅふぅ・・・・・つ、疲れた・・・・・」

俊太は机を元に戻してまたもや突っ伏する。

「それでは答えましょう。」

「遅ぇよ!お前絶対、俺が疲れて反論できなくなった所を見計らってただろ!」

「まさか。さて、私は先ほど『真実はいつも一つ』と言いましたよね。アレは比喩ですよ。嘘はいけない。真実はいつも隠されてはいけないものなんですよ。よってお前が弁護を要求してきたときも私はあえて黙秘を貫きました。」

「おぃ・・・普通ならいっそのこと、吉村にチクればよかったじゃねぇかよ。」

「それは・・・・・・」

そこで義和は言いよどむ。

「それは?」

「お前の吉村教諭からのイジメ・・・・ゴホッ・・・・指導を見れないじゃないですか。」

義和は今にも死にそうな親友に追い討ちをかける。

俊太は最期(おぃ!)の力を振り絞り呟く。

「鬼だ・・・・・鬼畜でロリコンで盗撮マニアで殺人ギャグを飛ばす鬼がここにいる・・・・・・・・・」

「テヤァァァァ!!!!!!!!!」

「ギャァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」

義和が俊太に喰らわしたブレンバスターで俊太の意識はブラックアウトした。


すいません・・・・・またまたすいません・・・・裸のメイリアは次には出ると思います。はい。

すいません・・・・・・・(←おぃ!!

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