日常
臭い。生ゴミが腐ったような匂いだ。
家にいても外にいてもこの匂いは付きまとってくる。
今日もいつも通り蝿がブンブン飛び回っている。
「お母さん、ご飯は?」
「………」
返事は無かった。
家を出ると友人の麻美が立っていた。
「一緒に学校行こ」
「うん」
麻美は鼻歌を歌っていた。
この匂いは気にならないのだろう。
いや、麻美だけではない。
自分以外の人間はこの匂いが気にならないのだ。
○○第一小学校。
私はこの学校の6年生だ。
教室は4階。
最近、教室までの階段を上るのがキツい。
朝礼が終わると退屈な授業が始まった。
どうやら私はIQが高いらしい。
小学校の授業で教わることなど、もう何も無い。
周りから期待されていた。
悪い気はしなかった。
自分は選ばれた人間だ。
「朋美ちゃんは頭がいいから良い大学に入って良い会社に就職してお母さんを助けてあげようね」先生が毎日言う台詞だ。
うちは母子家庭。
母親一人で私をここまで育ててくれたのだ。
学校が終わると携帯電話が鳴った。
「もしもし、朋美ちゃん?おじさんだけど今日もよろしく頼むよ」
私は駅に向かった。
駅で待っていたおじさんと会い、車に乗っておじさんの家に向かった。
おじさんはむさぼるように私に抱きつき服を脱がせた。
下着を脱がせると私をベッドに寝かせ、足をM字に開かせ私の陰部を美味しそうに舐め始めた。
30分程舐めると今度は私がおじさんの陰部を舐める。
毎回同じパターンなので慣れた。
この行為の意味を私は知っている。
ただ母親が働けなくなった今、この行為は私が生きる為にはしなくてはならない行為だ。
おじさんの陰部から白い液体が放出された。
しばらくして私はおじさんから5万円を受け取り、家の近くまで送ってもらった。
車の中にいても車から外へ出ても臭い。この匂いに慣れることは出来ないのだろうか。
「ただいま」
「………」
返事は無い。
相変わらず蝿がうるさい。
母親はいたが夕飯の用意はされていない。
宅配ピザを注文し、テレビをつけた。
ニュースがやっていたのでチャンネルを回し、アニメを見ていた。
ピンポーン
宅配ピザが来たようだ。
ピザを受け取りお金を払う。
配達員は何故か怪訝な顔で私を見ていた。
私の顔に何かついているのか?
ピザを食べる前に洗面所に行き鏡を見た。
特に変わった様子はない。
気にしないことにしピザを食べ、その夜は眠りについた。