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I-State(侵略国家)  作者: エス
国衛隊 入隊編
6/63

第6話:神国破壊⑥


大柄の男は振りかぶって右の拳を打つ。


狙いは、オウカの後頭部。


その気配を察知し、慌てて振り向く――演技をするオウカ。


(敵が視界に入ると同時に、赤マーカーが表示)


-ゴッ-


かろうじて顔の前に構えた左の掌が、男の右拳を受け止めた。


……のだが、右拳は止まらず 左の掌ごと そのまま顔面に叩きつけられた!


オウカは明らかにフラつき、視点は定まらない。


両手は、かろうじて顔面をガードしようと懸命に努力している、


……少なくとも、そう見える。




――男は畳みかける。


男の両脚の筋肉に力が入っていく――


直後、男の全体重を乗せた渾身の右の前蹴りが オウカのガラ空きの腹部へと叩き込まれる!


「ガハァッッ!」


オウカの全身に、前蹴りの衝撃が伝わっていくのが見て取れる。


同時に、オウカの体から絞り出された大きな うめき声が、会場内に響き渡る。


とうぜん男は、この機を逃さない。


男の脳裏には、制圧完了までの道筋が見えている。


そして、勝利を確信した。


あと数発叩き込めば 俺の勝ちだ……と。




――男は、認識した。


その目に映る世界が 180° 反転していることを。


え……なんだいコリャ。


酒を浴びるほど飲んだのは4日前、さすがに体内からアルコールは抜け……




- ダァンッ!-


何かが床に叩きつけられる音が、男の耳に聞こえた。


同時に 男の身体に強い痛みが走る。




『化勁』


オウカは、全身を鞭のように柔らかくしならせることで、腹部に叩き込まれた右の前蹴りの衝撃を全身に分散していた。




同時に、右の前蹴りを(わざと)食らい後ろへと吹っ飛ばされつつ、右手で男の右脚をつかみ、その筋繊維の流れに逆らわずに捻る。


つまり、蹴りに乗せられた男の全体重、その力の方向をズラした。


バランスを崩した男は、条件反射で左脚で無意識に自ら飛び――


――結果、男の巨躯が軽やかに宙を舞い、回転しながら地面に激しく叩き込つけられた――ということだ。




「ハァ……ゼハァ……カヒュゥ……」


男の渾身の前蹴りを食らったオウカは、倒れそうになりながらも、根性でなんとか立っている――演技をする。


――オウカは、以前 軍の上官との組手でボディーブローを食らった時のことを思い出している。


そして、その時の自分のリアクションを再現しようとしている。


数年前のことだから うろ覚えだが、確か 感じのこんなリアクションをしたなぁ……。


もっとも、その時は地面にブッ倒れて、呼吸も ままならず のたうち回っていたが。


それに比べたら、強めの腹部マッサージといったところか、今の前蹴りは。




――さて、地面と濃厚すぎるハグをした男は というと…


「ぐぅ……あああああ」


痛みによる悲鳴――ではない。


痛みを超え、自分を奮い立たせるための雄叫び。


外見に見合うだけのタフネスはあるらしく、平衡感覚も充分に戻っていないにもかかわらず、仁王立ちで組手続行の意思を示した。


(救護班は組手会場内に入ろうとしたが、不要と判断し 中央テントに戻った)




――オウカは、その様子を見て


「私も うかうかしてられないな……!よい好敵手ともになれそうだ」


……などと熱血なセリフを放つこともなく――


というか、赤マーカー消滅の確認後は特に気にも留めず、他の受験生たちの動向を注視していた。


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