第22話:中枢神経系②
「ホントですね。オウカちゃんの居合、予備動作が見えないし、力みも無い。スゴイ!」
同じく、選択教練で剣術を教わっている同年代の少女・カンナが話しかけてきた。
――カンナは ”侍族” ではないが、日ノ国の平和を取り戻すため、侍として生きると決めた。
故に、侍族の女の子たちと一緒に遊びに行ったり、休日にも侍族の鍛錬場に行ったりと、交流がある様だ。
この女教官ともLIMEを交換してるらしい。
――侍族。
”侍の家系の血縁者” を意味する。
複数の家系・剣術流派の総称。
……が、現代の侍族は血筋は重視しない。
あくまで、生き様・精神性を重視する。
故に、血縁者である侍(侍族)と、血縁者ではない侍は、あまり区別されない。
侍は、前線での直接戦闘を専門としている。
とうぜん、戦闘術は ”剣術”
――加えて、剣術の身体操作を活かした徒手格闘術 ”古流柔術” だ。
(その他の武芸十八般は、侍族内でも鍛錬する者はかなり少数派)
まあ私は、侍の生き様・精神性に興味はなく、侍の戦闘術を知りたいだけだ。
つまり、侍になりたいわけではなく、日ノ国剣術を教わりたいだけ。
だから、必須教練に加えて、選択教練でも剣術を鍛錬している。
――エレナは、本日の選択教練としての剣術鍛錬には来ていない。
選択教練のどれを受けるか悩んでいるらしい。
必須教練に組み込まれていない格闘術も、体験入門的に色々受けに行っている。
(国衛隊の外部から講師を招いて指導されることもある。頻度は低いが)
――私も、エレナから話を聞いたり We Tubeで動画を見たりしている内に、沖縄唐手や合気柔術にも興味が湧いてきた。
今度 試しに それらの選択教練に参加してみよう。
――教練終了。
教練に参加していたオウカの先輩にあたる女性は、あぐらで座りながらスポーツドリンクを飲みつつ――仮想キーボードを叩いている。
ARレンズの接続先は、国衛隊支給品のベルト――ではなく、忍者族の支給品である手甲=棒手裏剣などの収納用の腕カバー(Wi-Fiマイコン内蔵)。
[スパイ被疑者として保留中のオウカ隊員、現状は目立って怪しい点は無し。引き続き、監視されたし]
忍者族の情報管理部へと送信。
引き続き、同年代の忍者にLIMEで送るメッセージをタイピングしていく。
[監視ってのはコストかかるわあ。剣術教練に集中できないよ。マルチタスクは動物としての本能ではあるが、面倒くさい]
愚痴を送信。
返信が来た。
[忍者族の中には前線を希望する者もいるし、忍者はもっと前線にも出るべきなのかねぇ]
更に送信。
[戦争で使えないハズの銃器の扱いの重要度が 去年から明らかに上がってるし、上層部の考えはわからん]




