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I-State(侵略国家)  作者: エス
国衛隊 入隊編
2/63

第2話:神国破壊②


カツッ、カツッ……


静寂の中、足音が響き渡る。


足音の主は、壇上の舞台袖から姿を現す。


その女性は、腰まで届く長いポニーテールを揺らしながら壇上の中央へと歩いていき、そして止まる。




この試験の責任者であろう その女性は、第一声を発した。


「諸君らの使命は、日ノ国の平和を守ることである」


そして、続けた。


「そのための任務は多岐にわたるが、中でも最重要といえるのが――


日ノ国を” あの国” の侵略から護ることだ」


具体的な国名を挙げたら、この国のオールドメディアが「差別だ!」などと騒ぎバッシングしてくる。


それに対する配慮だろう。


「――この日ノ国には、他国スパイが多数 潜り込んでいる。


他国から ”スパイ天国” などと、不名誉極まる蔑称で呼ばれ――」


候補生としての座学で何回も聞いた内容だが、特に強調したい内容を改めて説明しているようだ。




「――では、試験内容について説明していく」


2日間にわたる試験の内容説明に入った。


1日目は筆記試験。


2日目は組手試験。


(とうぜん事前にも知らされているが、食い違いなどが発生しないように、万全の確認の意味を込めての説明だ。)


つまり、この内容説明の後には、休憩をはさんで筆記試験が行われるのだ。




――この試験の責任者であろう女性を見て、オウカは少し危機感を感じていた。


”身のこなし”


いや別に、檀上でアクロバティックで派手な動きをしているわけではない。


どこかのビッグテックのCEOばりにプロジェクターの前を 左へ右へ、歩いているだけだ。




――しかし


足音が聞こえない。


発せられる言葉と言葉の間、数秒間の間の静寂。


その間に聞こえてくるはずの足音が、無音なのだ。


(先程の「カツッ、カツッ…」は、候補生たちに自分の登場を印象付ける演出だったのか?)


距離が離れていることもあるが、あそこまで足音がしないものなのか。




そして、歩き方。


歩き始める時。

歩いている時。

静止する時。

身体の向きを変える時。


その動きの察知しにくさ。


全身の体幹の安定感。




その動きは明らかに精錬された武術家のそれだ……と、ビリビリと伝わってくる。


周りにいる他の試験官とは、明らかに異質だ。


”事前に聞いていた情報”と違う。


――オウカは、冷や汗をかいた。


そして、思考の渦へと飲み込まれていく――




「オウカ、休憩だよ~」


エレナの声で現実世界に引き戻され、いつの間にか説明が終わったことに気づいた。


「ああ、すまない。この後は筆記試験だな。」




休憩中、エレナは他の複数人と同期生と情報交換をしていた。


オウカは会話に加わらず、スポーツドリンクを飲みながら少し離れたところで耳を傾ける。


どうやらあの責任者は、”忍者族” の一員らしい。




オウカは再び、思考の渦へと飲み込まれていく。


――忍者が忍者として不特定多数の前で姿をさらすことは、デメリットが大きすぎる


顔を知られていることは、隠密行動の際に障害になるからだ。


そのリスクを承知で出てきた…


出てこざるを得なくなった…


いや、”牽制” の意味もあるのかもしれない――




……休憩時間が終わり、体育館に再び集まった受験生たち。


責任者の女性は、宣言する。


「これより、正規隊員 選抜試験を開始する」


・一気読みできるサイト(優先的に投稿)

https://i-state.jp/


・Twitter

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・Bluesky

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