米中戦争――トランプ別解
〇中国バブル
もう弾けていると見做すべきです。
・すでに日本バブル一回分の損失を計上する人も
報道的には、これと同時に「中国でデフレが始まった!」となってます。
もう2000兆円規模の経済的損失だとか。
・先日、特別国債発行がニュースとなるも、実は三回目
私が調べられただけで三回目。これより多い可能性も。
目的は不動産バブルの崩壊を緩やかにするべく、金融系への融資です。
しかし、借金の返済を借金して賄うであり、基本的には死路でしょう。
ただ、全治半年の大怪我を、全治一ヵ月で六回へ変えるような試みではあり、無しとも言い切れません。
中国が常識的にソフトランディングを目指しているともいえます。
・しかし、10兆円規模なんて焼け石に水
日本のバブルで金融系が抱えた不良債権は、数百兆円といいます。
同じ規模だったとしても、10兆円では文字通りに桁が足りません。
……私の試算では4~5倍規模だったりもしますが。
ですが、一度の特別国債で集められる限界値でもあります。
それに10兆円以上を募ってしまったら、そのことそのものが赤信号に。
また一時に10兆円分の買い手を探すのも困難です。
・そしてデフレ中の借金も、悪手でしかない
いま10兆円でビッグマックが一つ買えたとしても、それを償還するころには二つ買えるでしょう。
つまり、デフレだけで利率100%!
これに通常の金利が、それも信用のできない中国債だから高めに乗ります。……とうぜん、これも実質倍です。
つまり、実質的に2.5倍前後を返さねばならず、もう闇金なみ!!
・さらに融資先も看過できない
中国には四大銀行という最大手があり、ここが最終防衛ラインです。
ここが倒れたら、もう中国は破産するしかなくなります。
でも、そんな中枢部への融資が、たったの10兆円!
もし日本政府が――
「特別国債を10兆円発行して、日本銀行へ融資する」
とか言い出したら、どう思いますか?
私なら――
「え!? 日本銀行って10兆円にも事欠く有様なのかよ!? もう日本は終わりや!」
と思ってしまいそうです。
・現状で日本バブル二回分ぐらいが、まだ列へも並んでいない
いまの中国デフレは、不動産融資が不良債権化しちゃって、それを特別国債で持ち堪えさせてるもの。
しかし、まだ不良債権化してないけど、ほぼ確実が3~4倍ぐらいあるとか。
中国は日本バブルの4~5倍程度で収めたともいえますが、まだ大半は弾け待ちということです。
・さらにバブルで作ったものが良くない
日本のバブルも、まあ下らないものばかり作りました。
でも、それらの殆どは実用可能だったのです。
不必要なまでに大きく豪華であっても、建物として流用は適いました。
ですが中国のは違います。
インフラ的にも、生活の利便的にも使い難く、誰も住みそうにない住居が、中国の全人口より多いとか。
家なんて一家に一つあれば十分なので、残りは廃棄するしかありません。
語弊を恐れずにいえば、国を傾けるほどのバブルで、なに一つ得られなかったとも。
おそらく中国は、毎年特別国債を発行し続け、毎年のようにデフレ悪化と報道され、じわじわと10年くらいかけて死んでいきます。
習近平が政治的に死に体であるにもかかわらず、なぜ失脚しないのか?
それは打倒して政権を取っても、バブルの責任を取らされるだけだから。
ある程度の見通しが立つまで、中国は政権交代しないでしょう。
〇トランプは狂っていない
株価を下げたら、彼の支持基盤というかスポンサーである富裕層への裏切りである。
そんな論説が散見できます。
しかし、そんなことはありません。
サブプライム問題の時も、コロナ禍の時も、富裕層は――
こんなバーゲンセールみたいな買い手市場なら大歓迎
と、いってたではありませんか。
トランプの政策により全世界推定で500兆円の株暴落といいます。
でも、だから?
いまから500兆円オフの株式大バーゲンだよ!
それだけでトランプのスポンサーたち――富裕層は黙るはず。
なにより500兆円下がろうと、4~5年もすれば戻ります。それはバーゲン株の保障とすら。
さらに保護貿易は、もう一つの支持基盤である正規労働者層を守ります。
最終的にアメリカ国民が支払うことになる?
でも、それはアメリカ以外の世界全てより少なく済むでしょう。
一番少なく負けるのであれば、それは勝ちに等しいのです
〇そしてスタグフレーションを乗り切れそうになかった
経済的には中国が飛ぶか、アメリカが飛ぶかのチキンレース状態で、もう瀬戸際ともいえます。
なら正着手は――
中国を先に飛ばすこと。それを推し進めること
となります。
この観点に立つと――
中国に10年もかけて、じわじわと死なれては困る
わけです。
短期的に関税でアメリカが苦しもうと、中国の破産を確定させなければならなかった。
そう考えてみるとアメリカ国内では、時流の読めないリベラル系しか騒いでいないとなります。
〇アメリカ軍部は、勝てる戦いならのる
対中国戦ですが、10年後は不透明になります。
むしろ、やるならラストチャンスであり、いまなら確実な勝利も。
アメリカ大統領というのは軍部からの支持も重要であり、トランプが狂っているのであれば、もはや批判されていることでしょう。
しかし、奇妙なほどに軍部は沈黙を保っています。
〇戦争ならば、まず先駆けてやることがある
隣国との関係清算です。
トランプの対メキシコや対カナダでみせた狂ったようなムーブも――
「お前ら、俺のケツを舐めるのなら、なにかあっても助けてやる」
と受け取れば、色々と腑にも落ちます。
なんとなくケツを舐めたメキシコは米中戦争が起きても友好国で、EUへいくカナダは助けないのでしょう。
〇日本は?
残念ながらトランプ石破の会談は、芳しくありませんでした。
おそらく日本は、戦争計画を開示されなかったのでしょう。
でなければ、石破首相も「トランプよう分からん」と結論づけないでしょうし。
なにより米中戦争を前提にしなければ、トランプはガチの狂人です。
〇トランプの停戦仲介でのムーブ
ロシアで中途半端な感じだったのは、結局、ロシア-ウクライナ紛争が継続して欲しいから。
なぜならロシアの介入を封じ、同時にEUへの重荷ともなるから。
あの紛争が継続する限り、米中戦争へロシアとEUは口を挟む余力がなくなります。
〇保護貿易政策は、カビの生えた時代遅れであり……
戦争には最適な事前準備です。
その準備では、なにが大事か?
まず自国での生産力であり、これは国際的なサプライチェーンからの離別でもあります。
つまり、国内産業の保護!
さらに戦時中は、内需を中心に経済を回していかねばなりません。
つまり、国内への産業回帰!
ようするに「数年はアメリカ単独で経済を回していくのなら、貿易なんぞどうでもいいがな」でしょうか?
この見解が正しい場合、トランプの関税政策は、まったく意味が変わります。
〇いわゆるアメリカの中枢が絵図を描いている?
可能性は大きいです。
財界や政界、軍部が一体となって米中戦争を計画し、それをトランプにも益となるよう巻き込んでいれば、実現性があります。
なによりトランプは三期目への野心を窺わせてますが――
歴史上、三期も務めた大統領はルーズベルトのみ!
そして彼は太平洋戦争中に三期目へと突入したそうです。
トランプは自身をルーズベルトに準えて?
しかし、米中戦争の真っ最中に大統領選があり――
「このまま勝つ!」
とでも演説されたら、アメリカ世論は三期目を認めることでしょう。
またトランプが狂人でもない限り、このレベルの論拠でもないと、三期目なんて口の端にも登らない暴言です。
〇中国は勝てるか?
核を使わない限り、負けが確定といわれてます。
しかし、核を使ったから勝てるとは限りません。
核を使った時点で世界vs中国へ図式は変わり、中国という国は完全解体にまで追い込まれるでしょう。
また習近平も、この期に及んで中国を滅ぼした男だの、核を使った最後の指導者だのになりたくないかと。
そして彼の後継者層も、核兵器の使用だけは止めるでしょう。
つまり、戦争になった時点で負け。
アメリカにとっては、戦争へ持ち込んだら勝確の美味しい勝負。
〇なら屈辱に耐えて戦争回避じゃ?
待っていれば、先にアメリカがスタグフレーションで破綻の目があります。
しかし、宿命的な弱点が中国には。
アメリカが台湾の独立を認めた瞬間、もう戦争するしかなくなります
それを撤回させなかったら、中国のメンツが立たないから。
しかし――
アメリカ世論は、台湾独立を当然と考えてたりします。
つまり、日本人には宣戦布告としか聞こえなくても、国際世論は違うということ。
ようするに――
「台湾は独立国じゃけぇ」
「のるな、中国!」
です。
さらに台湾も国際会議などで、ことあるごとに独立を訴えるというか――
それが宿願であり、しない政権はコケるレベル
だったりも。
つまり――
アメリカは開戦タイミングを選べるし、それでいて中国から宣戦布告
となります。
たしかにトランプは戦争しないといいました。
しかし、「だが、戦争を吹っ掛けられれば受けて立つ」でしょう。
〇歴史は繰り返す
ロシアが麻痺していて、EU――ヨーロッパは火薬庫にも近い混迷。
そんな中、世界から大批判を受けつつアメリカは孤立政策へ。
残念なことに東亜は、あいもかわらず影響力に乏しく――
アメリカが極東でイジメに近い経済封鎖を敢行し、その対象はぶち切れる寸前
太平洋戦争へと向かった時にそっくりです。大日本帝国の立ち位置が、そっくりそのまま中国で。
真珠湾攻撃だって日本の奇襲とかいわれてますが――
日本がブチ切れるまでアメリカがイジメ続けた結果、ただ殴り返しただけ
だったりも。
日本はハルノートをイエスかノーの二択と勘違いして、勝手に侮辱かつ宣戦布告と受け取りましたが――
いまの中国が台湾独立承認を宣戦布告と受け取っても、なんの不思議はありません。
つまり――
かつてアメリカはやった。だから、またやらないと考える方がおかしい
のです。
〇さらに中国は、まったく同じ弱点を持つ
それは食糧と石油!
経済封鎖で、それらが枯渇すると大日本帝国と同じく継戦が疑わしいのです!
厳しい試算だと、ほんの半年で航空機を飛ばすのにも困り始めるとか。
また現在の戦争は――
非戦闘員を犠牲にしないと称し、インフラへの攻撃がメイン
つまり、経済財封鎖の中、あらゆるインフラが爆撃やドローンで破壊され、それでもドドメは刺されない地獄となります。
それが三年ぐらい?
つまり、トランプの第三期開始か、後継者の選挙勝利後、やっとこアメリカが降伏を受け入れる感じに?
ちょっと終戦のパターンは多過ぎて、予想は難しいですが――
まあアメリカの勝ちだけは、揺るぎようもありません。
おそらく太平洋戦争勝利直後に近い有利と繁栄をアメリカは得ることでしょう。
〇そもそもアメリカ大統領というのは、認知症の老人でもOK
それぐらいの安全弁はあると見做すべきです。無事に任期を全うできましたし。
あたかも――
独裁者トランプの暴走を、誰も止められない
みたいな見解や報道ですが、そんなことはないでしょう。
〇自由貿易を、まるで神聖不可侵のような扱い
ちょっとリベラルすぎへん?
あくまでも一つのシステムに過ぎませんし――
左に自由貿易、右に保護貿易があるだけでもあります。
自由貿易は、確かにメリットもありますが――
当然にデメリットもあります
日本は産業の空洞化や弱体化が起きましたが――
根本的には自由貿易が原因
でしょう。
喪われた30年だって、自由貿易を制限し国内産業に配慮してたら、15年ぐらいに抑えられたはず。
なによりハンバーガー60円は、自由貿易が機能していないと成立しません。
でも、それは――
貴方の人生を豊かにしましたか?
ハンバーガーが200円に戻ろうと、普通に昇給したり、結婚もできたりする方が――
幸福になれると思いませんか?
〇もちろんトランプはやり過ぎ
戦後に世界中でリベラルがやり過ぎた反動とはいえ、保護貿易へ戻し過ぎです。
さすがにハンバーガー400円とかになったら、幸せの総数は減ると思います。
でも――
自由貿易の抑制は、絶体悪じゃない
なのを踏まえておくべきでしょう。
たんなるバランス感覚の話を、善悪の話へすり替え、敵対者を絶体悪であるかのように喧伝する。
典型的な反体制の手法です。騙されてはいけません
それはそれとしてトランプは、やり過ぎですけどね!
〇結論
私の結論は、年内開戦です。
そうでないとアメリカに色々な不都合があります。
・このままだとアメリカへの国際的な批判が高まりすぎる
・トランプの動きが、さすがに急ぎ過ぎ。焦っているレベル
・開戦に拠ってスタグフレーションを、なし崩しに解決させねばならない
・少なくとも三年後に勝利目前でなければ、次の大統領選挙での利用が難しい
・諸外国が問題を解決させ、介入の余力を回復するかもしれない
・開戦より先に中国の崩壊&分裂などが起きたら困る
・特に中国の降参――「もう駄目だから、諸外国助けて」で、アメリカは破滅
・また全世界から「もうアメリカ抜きでいこう」と逆に切り捨てられたら拙い
……信じるか信じないかはあなた次第!
極北の見解としては、そう間違っているとも思ってませんし。
長くなりましたが、今回はこのへんで! とっぴんぱらりのぷう!