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俺、この戦争が終わったら結婚するんだ

本文

・俺、この戦争が終わったら結婚するんだ。

【おれ、このせんそうがおわったらけっこんするんだ】


使用者

・自国に婚約者、許婚、又はそれ等に準ずる人を残して戦争へと出兵する者が使う。


使用する状況

・前述のとおり、自国に婚約者、許婚、又はそれ等に準ずる人を残して戦争へと出兵する際に用いる


使用後の症状

・使用者が死んだことによる物語への影響は薄い。

・ただし主人公などに戦争の理不尽さを教える機会となる確率は高い。

・おそらくキングオブ死亡フラグ


使用例


「俺、この戦争が終わったら結婚するんだ」


炸裂する光、飛び交う発砲音、香る火薬、慣れた血の味。 いつ死ぬともわからないこの状況下で、俺の隣のいるこいつは、言った。


「なに言ってんだ、こんな時に。 大体、それがどうしたってんだ」


「深い意味はないさ。 ただ、戦友のお前に知っていて欲しかっただけなんだ」



……俺たち第2小隊は、進軍経路の哨戒任務の最中にあった。 しかし、突然の敵襲。 先日の敵基地強襲作戦にて大打撃を喰らった敵国は、だからこその奇襲に出たのかもしれない。


だが……


「そんなことはどうだっていい。 今は、どう生き残るかだ」


「つれないねぇ、せっかく自慢話をしてやろうと思ったってのに。 まぁ、聞いてくれよ。 その子の名前はーー」


こいつ、いつも自分勝手に話だしやがる。 少しは聞くこちらの身にもなって欲しいもんだ。


「静かにしろ。 敵に見つかるぞ」


幸いなことに、近くに小さめの洞窟があったからそこに二人で身を隠したが、混乱が支配しているこの戦場ではここも安全地帯にはなり得ない。


「ちょっとぐらい、いいじゃねぇか。 式場はな、丘のところの教か……ウッ! ゴホッ、ゴホッ!」


「どうし……おい! それは血か? 大丈夫か!」


「へっ……さっき、逃げ込む時にドジったらしいな……ゲホッ! 弾が貫通したっぽいし、もうダメかもしれん」


「おい、まさか、冗談だろ!? 弱音をはくなよ! 国に彼女を残してんだろ! 彼女がまってるんだろ!」


「ハァ……ハァ……、おまえに、頼みがある……」


「なんだ? ……なんでも言え」


「あの子に、伝言を……グフッ……。 ハァハァ、『愛してる』って」


「バカやろう! そんなこと、自分で伝えろよ!」


「少し……疲れたな。 悪いけど、先に休ませてもらうぜ。 また後で起こして、く……れ……」


「……っ! おい! 起きろ! 目を覚ませ! 起きろ!」

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