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前世の話 2
「この国に残る命がある以上、私はこの国を離れる訳にはいかない。私は願い続けなければならないのです。」
「その者達が、貴方に何を与えたというのですか。
貴方を利用し、その力を、その自由さえも
全てを奪い取った!
これ以上、何を与える物があるのですか!」
その鬼気迫る様子、その言葉に、イリューシュカの瞳から、思わずぽろりと涙がこぼれる。
その涙を見たリューイが、途端に慌てた様子になる。
「申し訳ありません・・。私は貴方を泣かせるつもりはなく・・!なんと差し出がましいことを」
ふるふるとかぶりを振り、イリューシュカは微笑んでみせる。
「違うの。私の身をこんなに案じてくれる人が、この世
にいるのだと思うと、
胸がいっぱいになってしまったの
「
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