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ノッチに会いに行く3

 ノクサス本拠地にあるサッカーコートほどの広さの修練場。

 ノクサスのトップ1,2の本気の試合が見れると多くのギルドメンバーが集まっていた。


「ノッチさん俺らに稽古をつけるってどんだけ強い人が来るんですか」


「そうか、紫龍にはまだ行ってなかったな。今から俺らに稽古をるけてくれる人は、俺の育ての親にあたる人だ、温厚な人だから起こりはしないと思うがくれぐれの失礼の内容にな。」


「そうですか」


「なんだ、わかりやすい実績がないと信用できないか」


「いや、そんなことはないです。俺はノッチさんを世界一信用しています、そのノッチさんが信用している時点で俺は何の心配もしていません」


 ふん、嬉しいことを言ってくれるじゃないか

「心配すんな、うちのギルドメンバー全員で掛かってもあの人には遠く及ばないよ」



 デカい空間があるからそこにいるって言ってたがここで合ってるかな。


「ん、なんか人がいっぱいいる」


 重い鉄の扉を開いた先の中央にノッチとおそらく弟子と思われる人がたっており周りには大勢のギャラリーが所狭しと立っていた。


「どうしたのこれ」


「どうやら、ギルドのトップ1,2の本気の試合が見れるという噂が流れたみたいで、御覧のとおりの状況になってしまったんですが、はけさせた方がよろしいですか」


「いやいいよ、減るもんじゃないしな。寧ろ見て学ぼうとしているんだろ、俺はそういう気概のある奴は嫌いじゃないからな。それで、横にいる子がノッチの弟子か?」見た感じ体格がいいわけでもなし筋力をつけるトレーニングをしているようにも見えない、ということはジョブは暗殺者ってとこかな。


「はい、紫龍と申します。本日はよろしくお願いいたします。」


「よろしく~、ところでノッチのジョブって剣士?」


「いや、俺は剣士の派生ジョブの侍です」


 おお、とうとう派生ジョブまでついたのか。ま、Aランクなんだし当たり前か。

「紫龍君は?」


「僕は、暗殺者です」


「なすほど、見たところ目指している派生ジョブは忍者かな」


「そうです」


 うわぁ、ガッチガチじゃねえか。まあ、慕っているノッチがこんだけ下手に出ているところ見たらそうなるのも無理ないか「そんなに緊張しなくていいよ、別にそんな偉い人間じゃないんでね」


 ん!?、これかける言葉間違えたか、もっと固くなっちゃったぞ。まあ、この手の奴らは動き始めれば緊張は解けるだろ。

「じゃあ早速だが、二人まとめてかかってこい」


 ジンから放たれたわかりやすい挑発に乗る以外二人に選択肢はなかった、一人で挑んだところでジンをその場から動かすことすらできなことはわかっていた。二人でかかったところでまともに打ち合えないこともわかっていた、ただ、ジンから放たれた言葉に従うしかなかった。


 張り詰めた空気がこの場に充満しだす。見学に来たギャラリーたちは呼吸も忘れて見入っていた。


 最初に動いたのは紫龍だった、自身の持ち味であるスピードに物を言わせジンの背後に回り後頭部に狙いを定める。この一秒にも満たない時間の中でノッチは脱力を完了させる。紫龍の回し蹴りに合わせノッチも抜刀する、完全な同タイミングでの挟撃、流石師弟どうしというべきか合図もなくよくここまで合わせられるものだ。大抵の人ならば十二分に仕留めきれる作戦ではあるのだが、俺からしてみたらただ少し早いだけの単調な攻撃としか思えない。


 その場から一歩も動かずに全ての攻撃をいなして見せるジン。

「まあ、悪くはないがまだまだ粗削りだな」

 紫龍の足を掴んでノッチにぶん投げる、重なった二人にまとめて正拳突きをお見舞いする。打たれた衝撃で10メートルほど吹き飛んでやっと着地する。


「「うっ.....」」二人してその場にうずくまる。


「あれ、大丈夫か」二人に駆け寄り、ハイヒールをかけてやる。


「ありがとうございます、ジン様」そのまま座り込むノッチ。


「回復魔法まで使えるんですか、何でもできるじゃあないですか」大の字に倒れる紫龍。


「今の一撃どこまで見えていた紫龍君」


「手加減していたのは分かりました、インパクトの瞬間に肩を抜いているのが見えたので。あと、触れられる前に僕ら二人に防御増加を付与したのもわかりましたいつ発生したかは早すぎてわからなかったのですが感覚でかかっているのは分かりました」と起き上がりながら答える。


「まあ、及第点だなノッチはどうだ」


「俺らに防御増加を付与したのは紫龍の足を掴む直前、一瞬右手に魔力が集まるのが見えました。インパクトの瞬間は肩を抜いていたのもそうですが、俺の後ろに結界を張っていたのも気づきました、いつ発動したのかは見えませんでしたが衝撃が明らかに後ろに抜けている感覚があったので、おそらく結界に衝撃を吸収させていたんだと思います。」


「言っていることが間違っているわけではないが、一番大事な所に気づけていないな。俺は今正拳突きを2発撃った」


「「......え」」驚愕する二人、見学しているギャラリーには俺が手を抜ていることすら見抜くことができなかった者がほとんどのようで、あまりの実力の差に声を発することすらできなかった。


「見学に来ているみんなもしっかり聞いてくれ、目を鍛えることは自分の実力を高めるうえで大きく関わってくる、俺はここに何年もいるわけじゃないから小手先の技術を教えるつもりはない、小手先の技術を教えたところで現状から強くなりはするが、未来への投資にはならないからな。だからまず目を鍛えろ、そして誰よりも多くの情報を吸収しろ。そして、情報を自分の中でよくかみ砕きよく反芻し自分の糧にしていけ、それが強くなるための近道だ。」

 決まった、なんか結構いい感じに決まった。人に物を教えるなんてしたことなかったけどいい感じに決まった。


「じゃ、俺はこれで。みんな鍛錬がんばってね」

 ____________________


 あの模擬戦以来ノクサス内では腕試し大会が行われるようになったらしい。参加者や見学者も多くノクサスの戦力の底上げに大きく貢献しているとノッチにお礼を言われた。


 そんな中俺は一週間何もせず、ず~~~~~とゴロゴロしていた。


「失礼します、買い取りの手筈が整いましたのでお手数ですがノッチ様の仕事部屋までお越しいただけますでしょうか」


「いいよぉ」やっと買い取りの手筈が整ったようだ、日本人の常識が抜けきらない俺からしたらずっと人の家に泊めてもらうのも若干ストレスだからな。やっと少し自由に動けるようになるな。

ご愛読ありがとうございます。


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