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ノッチに会いに行く2

 スラム街には似つかわしくない巨大な建造物、黒を基調とした和テイストの建物、入り口には立派な門がたちCランクほどの腕はあるであろう優秀な警備がついている、広大な庭には生き生きとした植物が生えそろっており、一目みるだけでこのギルドがいかに潤っているかが伝わってくる。


 スラム街の中心部に位置するこの場所こそ、ノッチが創設したギルドノクサスの本拠地である。


「ここが、ノクサスの本拠地です。とりあえず、色々話したいこともあるので中でゆっくり話しましょう」


 中に入るとそこには、まるで日本旅館のような光景が広がっていた。


「ノッチもこんなデカいとこに住むようになったんだな」何というか、我が子の成長を見ているようだ。


「これもすべて、ジン様のおかげですよ。ジン様に拾っていただけなかったら今頃どうなっていたか、想像したくもありません」


「そんなことないだろ、俺が見つけていなくてもうまいことやっていたさ、俺の知っているノッチはそんなやわな男じゃない」


「俺にはもったいないお言葉です」と言いながら通された部屋は、四畳半ほどの狭い個室だった。


「この部屋は、随分と厳重に作られているようだな」


「もうお気づになられたんですね、そうです、ここは重要な商談や密談をするために作られた部屋で、多重に結界を張っているのでどんなに優秀な結界師を呼んでも破るには最速でも一時間は時間を稼げる作りになっています」


「こりゃ、エグイ金額かかってるな」


「そうですね、それなりにかかっていますね。そんなことより、ジン様が直接出向かれるなんていったい何があったのですか」


「あぁそうだ、何というかこう面と向かってってなるとなんだか気恥ずかしいな。俺はこの世界の神という座から退くことになった。それに応じて、使徒制度も解体することにした。俺は使徒たちのこと大切に思っている、だからこそ別れの話はしっかりと面と向かって言いたいと思ってな、ノッチ今まで世話になった、ありがとう」


「そういうことでしたか、非常事態が起きたなんてことじゃなくて安心しました。それに、そんなに畏まるのはやめてください。俺のこの命はジン様に救ってもらったと思っています、本来スラムで野垂れ死ぬような運命にあった俺を拾ってここまで成長させてくれたのは他でもないジン様です、こうして直接出向いてくれることが最高級の報酬です」


「そうか、なんか恥ずかしいな面と向かって褒められるってのは」


 前世では考えられないかとだった、この俺が感謝されるなんて、我ながら泣きそうになってしまった、やっぱり駄目だな年を取るとどうしても涙もろくなっちまう。


「そうですね、俺も普段こんなに本心で話すことなんてないので変な気分です」と二人で笑いあった。


 この晩、ノッチと二人で朝まで飲み明かした。ギルドを作るに至った経緯やどのようにしてギルドを成長させていったのか、どうやったら強くなれるかなんて話もした。人生で初めて取った弟子相談なんかもした、紫龍という名前ででなかなかに筋がいいようだが最近伸び悩んでいて困っているらしい、ということでちと交渉してみた。


「俺がその紫龍に稽古をつけてやる、ついでにお前にも、交換条件としてちょっと買い取ってもらいたいものがあるんだが」


「ほんとですか!!!ぜひお願いします!!。買い取りについてはうちのギルドは結構手広くやっているんで大抵のものは買い取れます」


「マジか!!、じゃあ早速見てもらいたいんだが」そう言って。テーレにもらった冒険者たちの遺品を収納魔法から取り出した。


「これは、相当いいものばかりですね、壊れているものもが多いですが何と修復できそうなものが大半ですね、あまりにもな物は素材にするしかないので多少値段は落ちますがいけそうですね、それにしてもなんでこんなに壊れているのですか」


「それは、地龍テーレに敗れた冒険者たちの遺品だからだ」


「え!?、地龍テーレってあの地龍テーレですか」あまりの衝撃に一瞬にしてノッチの酔いが醒めた。


「知らなかったのか、テーレは創設メンバーの一人だぞ」


「え、あの伝説の龍が先輩!??!?!??、え!!?!?!」


 あれ、初期メンには人側の奴らもいたんだけどな。まあ、今残っている初期メンは本気出せば一人で国家転覆し兼ねない奴らしかもう残っていないしなあんな色物の奴らが連携取るわけないか。


「ちなみに、ノッチが今連携取れる使徒って誰」


「え、あぁ俺は基本国内にいる人としか組まないんで、国軍の方にいるロブスと商人ターコと鍛冶師のグッチとあとブラッドが投獄されていますね」


「ブラッドってウーランバードに投獄いるんだな、あの問題児は俺ですら手を焼くからな。回りまわってロブスのところに行きついたってことか」


「そうですね、実力的にも立場的にもロブスぐらいしか面倒見れる人材がいませんからね」


「これは早めに見に行った方がいいか」


「ロブスも相当手を焼いているみたいですし、それに、早くに行ってあげた方がブラッドも喜ぶと思いますよ」


「まあ、取りあえずはノッチとノッチの弟子に稽古つけてやらないとだしな、しばらくはここに居候させてもらうわ」


「大歓迎です、でしたら滞在する間に付き人をつけましょうか」


「いやそれは大丈夫だ、自分の世話役は自分で見つけるつもりなんでな」


「でしたら、早急に遺品を換金した方がよろしいですか」


「その金は生活費として使うつもりだから急がなくていいぞ」


「承知しました、では俺も仕事があるのでここらで失礼しますね」


「あぁ、時間ができたら呼んでくれ弟子も一緒にな」


「はい、では失礼します」そう言い残して部屋を出て行った。


「そんなに畏まらなくていいのになぁ」

 あんなに一貯前に仕切るようになって、成長目覚ましいな。


 襖が開かれ、女性が一人部屋に入ってく。

「失礼いたします」


「世話役はいらないといったはずだが」


「ノッチ様より伝言です『流石にその恰好では目立ちすぎるので着替えてください』とのことです、ここにお召し物を置いておきますね、では失礼します」


「はぁ、そんなに変かこの服装。そろいもそろって文句言いやがって」

 気は進まないが着替えるか、そんなによくないかなぁI♡GOD Tシャツ。




















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