ブラッドが倒れる
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レイラが魔法を習得してから5日後、レイラの魔法の腕はメキメキ成長していた。風魔法に関しては学校で習うようなベーシックな技は一通り習得し、岩魔法に関しても中級程度の複雑な造形を作りそれを動かすぐらいはできるようになっていた。
フゥとブラッドの二人は鍛錬で習得した特技を試すべく、ダンジョンへ行っていた。
「だいぶ技自体の練度も上がってきましたね、この様子ではもう私の手助けなしでも成長していけそうですね」
「本当ですか!!ありがとうございます、これも全てスクルド様が熱心に教えて下さったおかげです」
「世話になったなスクルド滅茶苦茶助かった、家にまで居候させてもらっちゃってわるかったな」
「いつでも大歓迎ですので気が向いたら寄ってくださいね」
「あぁ、そうするよ」
そんな和やかムードの中をかき消すような一言が聞こえてくる。
「ジン様!!!ブラッドが、ブラッドが倒れた!!!」
そう言いながらブラッドを抱えて走ってくるフゥ、抱きかかえられているブラッドの顔色は青白く変色していた。
あまりの急な出来事にあからさまに取り乱しているフゥを取り合えず落ち着かせる、よく見てみればフゥ自身も体に無数の傷を負っていた、恐らくブラッドを庇いながらダンジョンの中を突っ走ってきたのだろう。
二人にハイヒールをかけて様子を見る、フゥの傷はみるみるうちに回復していくがブラッドは変わらず苦しそうな表情を見せる。
「ジン様どうしよう、急に倒れてそれからずっとこの調子で、どうしようジン様ブラッド
が死んじゃうよ!!」
取り乱しすぎているな正常な判断ができなくなってやみくもに俺のところまで走ってきたのだろう。しかし何なんだこの症状は、見たことないぞ俺は。
「レイラ!!フゥを見てやってくれ、ブラッドは俺とスクルドで何とかする、スクルド!!見たことあるかこの症状」
「分かりません、ただ恐らく知っている人物なら身に覚えがあります」
「誰だ?」
「ハルフです、ハルフ・ディンガーなら解決策を知っているかもしれません」
「そうか!!この街にはハルフがいるんだったな、急ぐぞ!!!」
「こっちです、私の使役しているライドリザードがいるので」
「いや、こっちの方が速い『召喚獣:不死鳥』」修練場の外へ不死鳥を召喚する。
巨大な異界への門が開かれ一人の召喚獣が姿を現す、燃え上がる炎を体に宿しながら悠然と羽ばたく不死鳥フェニックス。
「キョエエエエェェェェ」
「こいつに乗れ、こいつなら治療しながら向かうことができる、案内は任せたぞスクルド」
「分かりました」
ブラッドを抱き上げてフェニックスにまたがる。
「レイラ!!落ち着いたら追いかけてきてくれ、フゥの奴なら匂いでたどり着けるはずだから」
「分かりました!!」
「スクルドしっかり掴まってろよ、フェニックス最高速度でかっ飛ばせ」
「ギェェェェエエエエエェ」
力ずよく羽ばたくフェニックス、羽ばたき一つであっという間に上空まで到達する。
「どっちの方向だ」
「あっちです、あっちの緑の屋根のログハウスが薬屋ハルフです」
体の炎が勢いを増す、フェニックスの最速の移動方法は羽ばたくことではない、翼から炎をジェット噴射してミサイルのように飛行する。地上から観ている者たちは流星が通ったように感じるだろう。
「着いた、あれかハルフの店は」
「そうです」
「フェニックスご苦労だった、もう帰っていいぞ」
「え・・ここ上空ですよ」
ジンの言う通り素直に帰るフェニックス、上空に三人を残して。
「大丈夫だ心配するな、ここ一週間の俺の鍛錬の成果を見せてやる、しっかりつかまっていろよ」
そう言うと体に風をまとい始める、そうしている間にも落下速度は上昇していく、次の瞬間強烈な突風が下から三人を突き上げるが、纏った風がその衝撃を吸収して地面に着くころには浮遊を実現させていた。
「凄いですねジン様」
「感動している暇はないぞ」
「そうですね」
完全に行き詰まってしまったのでしばらく更新が遅くなると思います、申し訳ありません。
気長に待っていただけると幸いです。




