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レイラからのお願い

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 それから一カ月ほど、山窩に行って依頼を受注してダンジョンで狩りをするそしてたまにアランの所へ行って美味しいものを食べる、アランからは毎日でも来てくれて構わないと言っていたが流石に自制した。


 そんな代り映えのない一カ月を過ごしていると山窩に行くのもダンジョンに行くのも飽きてきた、最近は山窩に行っても依頼を確認することもなく受付に行くと大量の討伐依頼をその場で渡されそれを何の確認もせず受注してダンジョンへ向かう、ダンジョンへ行ってもまるで作業のように魔物を殺して回っていた。


「飽きた」


「何にですか」


「この日常に」


「少し変化が欲しいですか?」


「そう!変化が欲しい、そこの二人はそんなにずっと魔物を狩っていて飽きないのか」


 レイラと会話をしている最中も魔物たちと交戦してるブラッドとフゥに聞いてみる。


「全然飽きないです」


「たのしぃ~」


 どうやら飽きたと思っているのは俺だけだったらしい、このバトルジャンキーたちは戦えることが何よりも幸福に思える人種のようだ。


「でしたらご主人様お願いがあるのですが」


 レイラが俺にお願いをするなんてめずらしいな、床の上ではよく甘えてくるがこうした日常の場面で俺に何かを求めることはほとんどない。


「めずらしいなレイラから言ってくるのは」


「ダメですか?」


「ダメな訳ないだろ、俺の愛しのレイラが何か欲しいものがあるのならなんだって与えてやるさ」


「私に魔法を教えてください」


 顔を見るにどうやら本気のようだ。


「なんでまた魔法を覚えたいと思ったんだ、何か危険があれば俺が絶対守るぞ」


「ご主人様が守ってくれるのは分かっているのですが、あんなにも楽しそうに戦っている二人を見ていると私も少しは戦えるようになりたいという感情が芽生えてしまいまして」


「あんなにも楽しそうに戦うのはあいつらぐらいなものだが、そうだな四人中三人が戦闘員で一人だけ非戦闘員っていうのも疎外感あるよなぁ。よしわかった俺が直々に魔法を教えてあげよう!!」


「ありがとうございます!!」そう言ってとても嬉しそうな顔をする。


 ここ一週間ほど浮かない顔していたのはこれの所為だったのか、これだけ一緒にいて自分だけ仲間外れは辛いよな、これは気づけて上げられなかった俺にも責任の一端があるな。


「どうせやるなら何事も本気でやった方がいいからな、明日からアブダクト魔法学校に行くぞあそこにはスクルドもいるからな何かいい修練方法も教えてくれるだろ。フゥとブラッドも来るか?スクルドに見てもらえば何か成長の糸口が掴めるかもしれないぞ」


「本当ですか!?」


「ほんとぉ!?」


「あぁ、あいつ程魔法に精通している奴は見たことがない」


「じゃあ付いて行きます」


「いくぅ~!!」


 良い向上心だ、やはり伸びる奴らは総じて向上心の底が知れないな、そこまでも強くなろうとするその心が何よりも大切なのだろうな。


 この日は早めにダンジョン攻略を切り上げ明日に備えるためにアランの所で飯を食べ気合いを入れた。


 宿に払っていた一か月分の代金もなくなって丁度住処がなくなったジン一行は新たな住処を求めてアブダクト魔法学校に訪れていた。


「ジン様アポ取ったんですか?」


「当然取っていない!!!」


「今回ばかりは怪しいですよ、スクルドは人嫌いで有名ですし会ってくれない可能性も十分ありますよ」


「大丈夫だって俺人じゃないし」


「そういうことを言っているんじゃあないですよ!!」


 スクルドの人柄を多少なりとも知っているフゥからは不安の声が漏れ出ているが無視して学校内に入っていく。


 正門からロビーまでの道は美しい花々で埋め尽くされており噴水や恐らく学長かなんかの銅像もたっていた、この花々たちも実験に使う目的で育てられているためか管理が行き届いているのが素人目にも分かった。


 五メートルはありそうな木製のドアを開けるとそこには、真っ赤な絨毯に高そうなシャンデリア目の前にはよく昔の建物とかにある最初は一列なのに途中から左右に分かれて湾曲している階段なんかもあった。


「ほんと魔法学校って感じだな」


 今回ももちろん受付嬢の方に無理を言うことからのスタートである。


「あのぉすいません、スクルドって今ここにいますか?」


「はい、いらっしゃいますが」


「じゃあ、会うことってできますか?」


「いやぁ申し訳ございません、スクルド様は大変人が苦手でいらっしゃるので厳しいかと思います」


「あぁやっぱりそうですか、申し訳ないです無理言ってしまって無理を言ったついでと言っては何ですがもう一ついいですか?」


「はい、なんでしょう」


「これから大声出すので少し耳を塞いでいてくれませんか」


「え・・・」


「スクルドォ~!!今もどうせ聞いているんだろぉどこにいるか分かんないから迎えに来てくれぇ~!!!!」


 学校中に響き渡る大声でスクルドを呼ぶジン、突然の奇行にその場にいる全員がポカンとしていた。


 大声を出した十秒後彼女はやって来た。


ご愛読ありがとうございます。


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