思いがけない出品物
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「落札!!金貨70枚での落札となります」
競合相手がいないためものすごくすんなり落とすことができた。
「よっしゃー!」
予想外にお金が浮いてほっくほく顔のジン、ターコイズに負けず劣らずの美人をとんでもなくお手軽なお値段で買えた幸福感にのんきに浸っているのも束の間、そんな喜びも吹っ飛ぶようなコールが会場内に響いた。
「今回の目玉の一つ!!!!、最強の獣人と名高いNo.63白虎のフゥ・リュウシェン!!!!!」
「なぁにやってんだあんの馬鹿ぁぁ!!!!!!」
様々な人種の入り混じった人種のるつぼと言われている実力主義国家アルカトラルカで使徒活動をしているフゥ・リュウシェンがなぜか奴隷オークションに賭けられていた、しかも他国の土地で、まじで何やってんだ。
「ターコの聞いたことぐらいはあるだろあれが獣人最強の女フゥ・リュウシェンだ」と心底あきれた様子で説明する。
「あれが、飛びぬけた戦闘センスと獣人の中でも圧倒的な身体能力で獣人最強と謳われるフゥ・リュウシェンさんですか」
「もおぉぉぉ俺が落とすしかないじゃあないか」
フゥ・リュウシェンの名は多少情報に敏感な人なら国内外問わず知っていてもおかしくはない、ということはこの場にいるように人たちは知っていてもおかしくない。
「ターコの予想はいくらで落とせろと思う?」とビビりながら聞いてみる。
「これまでの奴隷での最高落札額が更新されることは間違いないでしょうね、そうですねぇ、私の予想は312億ですかね」
「まぁそうなるよなぁ、じゃあ俺の予想は希望も含めて200億で、はぁ結局金無くなるじゃあねぇか」折角余ると思っていたお金が飛んでいくことが容易に想像できて憂鬱になる。
競争が始まるや否や面白いくらいドンドン上がっていく値段アッとゆう間に大台の100億にのった、そこからも勢いは収まることはなくこれまでの記録である156億もゆうに超えてきた。
「これ、俺の所持金で足りるかなぁ」あまりの勢いに段々不安になってくる。
「大丈夫ですよここは私の得意分野ですから私が予想を外すことは100%ありません」そう自信満々に言い放つ。
200を超えたあたりで急に勢いが鈍化する、ゆっくりとだが確実に上がってくる金額にだんだん泣きそうになってくる。
「白金貨267枚!!!」
「ジン様ようやく一騎打ちになりましたよ、そんなくよくよしていないでしっかりしてください」
「もう早く降りてくれよ、俺は降りられないんだから」
止まらない金額の上昇、決着のついた金額はターコイズの言ったとおりだった。
「落札!!白金貨312枚での落札となります」
「本当に言った通りじゃん、流石だなターコ」
「はい、得意分野なので」さっきまでしょんぼりしていたくせに得意げな顔しやがって。
「これは、どこで受け渡しできるんだ?」
「こちらです、案内しますね」
オークション会場の地下、国軍による厳重な警備がなされている金庫室にやってきた。
「こんなに速攻来て大丈夫なのか?、ついさっきまで競り合ってたんだぞ」
今もまだオークション自体は続いている。
「そこらのオークションとはレベルが違いますからね即時対応ですよ」
「すごいなまじで、こんだけ金使わせるだけのことはあるな」そんなのんきなことを言っていると。
「ジン・クロサキ様でしょうか、ご案内いたします」とオークション職員に個室に通された。
「落札された奴隷を連れてきますので、今しばらくお待ちください」
そう言いわれて、個室の席に着いた時にはもう到着していた。
「No.62レイラとNO.63フゥ・リュウシェンを連れてまいりました」
近くで見るレイラはより一層美しく思わず見とれてしまう、それに対して横のこんの馬鹿を見ると段々腹が立ってくる。
「こちらにステータスカードの提示をお願いします」
そう言って持ってこられたクレジットカードのスキャンする機会のようなものにステータスカードをかざすとあっという間に俺の貯金が消えうせた。この金のほとんどがレイラのためだったら納得できるんだけどなぁ、なぁんでこんの馬鹿のためにこんな大金を払わないといけないだ、かわいそうな俺。
「確認いたしました、契約魔法はお使いになられますか?」
「あぁ、自分でできるから大丈夫だよ」
「では、失礼いたします」
職員が退出して俺ら四人だけが残った。
「じゃまずレイラから『契約魔法:ブラッドパクト』歓迎するよレイラ、俺が主人になったからには君のことを世界一幸せな奴隷にするよ、これからよろしく頼む」
「これからお世話になりますご主人様」そう言って膝をついて屈服の意を示す。
「じゃあ次にフゥこっちにこい!」
レイラとの対応の違いに戸惑いながら近寄ってくる。
「『契約魔法:ブラッドパクト』ふぅ、こんの馬鹿」といいながら頭をぶん殴る。
「いたぁぁぁい、なにするんですか」
突然の光景にビクつくレイラ、そんなのもお構いなしに説教を開始しようとするジン。
「これからお前の主人になるクロサキジンだ」
やっと状況が飲み込めたフゥは突然ジンに抱き着いて泣き出した。
「ジン様ぁ~~~~」
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