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お題シリーズ2

感情 悲しみ

作者: 仲仁へび




 彼女はいつも悲しんでいた。


 なぜなら、悲しんでいれば多くの人が親切にしてくれるからだ。


 なぜなら、悲しんでいれば多くの人が幸せにしてくれようとするからだ。


 だから彼女は幸せにならなくてもいいと思っていた。


 幸せにしてくれようとさえ、してくれれば。


 それで彼女は満足だった。


 そのため、事あるごとに涙を流し、嘆いていた。


 そんな女性は転々と各地をさすらっていた。だから、人々がおかしいと気づく事はなかった。


 けれど、そんな彼女に一目ぼれした男性がいた。


 彼女の演技を見抜けなかった彼は、いつも彼女を幸せにしようと、頑張った。


 喜ぶ物を手に入れようと頑張った。


 楽しめる者を作ってあげようと頑張った。


 綺麗な物を見せようと頑張った。


 しかし、頑張りすぎた彼は過労で突然死してしまった。


 彼女はいつものように悲しんだけれど、見ている人がいなくなってもなかなか涙も嘆きも止まらなかった。



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