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詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
1990年代

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その32 社会発展を求める   誕生日

   社会発展を求める


それは周知のことだ

この社会が

人間より利潤(もうけ)を大事にする社会

であることは

この社会で社会発展はストップ

とは

人間を何より大事にしたい

我々には承服しがたい




   誕生日


どうせ私の誕生日など

覚えてないんだから

覚えているさ、〇月〇日

胸を張ったのは先月


その日も

仕事と人間関係に揺られて

踏み外しそうになる平衡を

保とうとして頭は

キーンと張って


一月前の検査で

十二指腸潰瘍が見つかり

翌日が胃カメラを呑む再検査で


気がついた私の電話を

妻は待っていたらしい

私は電話をした

今日の夕食は早めに

消化のよいものをと


迎える妻の瞳のなかの

冷たい固まり

疲れた神経は

すぐに噛みつき


テーブルの上に置いた包みに

それ、私へのプレゼント?

なるほど、きれいな包装だな

赤い模様の包装紙を開いて

帰りに仕事の必要で買った

封筒と切手を示した


食事が始まると

妻は突然

おめでとう と言って

頭を下げた


何だ、それは?


「今日は私の誕生日です」



「たった一言でよかったのに」

「よその人の誕生日は覚えているのに」


そう、そう


返す言葉の代りに

胃は痛み続ける


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