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詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
1990年代

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その21 喫煙室   極意

   喫煙室


わが職場にも

喫煙室というものができて

隣席のヘビースモーカーに

悩まされていた私は

助かったと思ったのだが


やがて喫煙室は

談話室の様相を呈して

煙とともに

賑やかな「社交」が

立ち昇りだした


私の席は

喫煙室のすぐ前で

明け放された窓から

話に興じる人達の

顔も見えて


〈なぜ加わらないかって?

 そこは喫煙室だろ

 煙を我慢しながら話すというのもね〉

などと

心中で弁明する始末だ




極意


忘年会帰り

酔って電車を降りた


バイクには乗るなという忠告もあったし

自分でもそのつもりで歩き過ぎたが

駐輪場に一晩置いて

バックミラーを盗られた

苦い経験は重ねたくない


バイクには乗らない

押して帰る

この知恵はどうだ

と駐輪場に引き返した


バイクを押して

国道まで来た

これを渡れば

最大の難関はパスする

そしたら乗ってもよかろう


待つ

ヘッドライトの川を前に

悠然と〈努めて〉

どこかで舌なめずりしている

「事故」の醜面に嘲笑を浴びせて


〈この赤はいつまで変らないんだ〉


気がつくと

バイクにまたがっていて

これはいかんと気を締め直して


押しボタン式なので

押さないことにはどうにも……

迂闊な自分に皮肉を言って

舌打ちしながらボタンを押して


ああ、それでも

ここからが極意だと

〈よく気がついた! 〉

バイクから下りて

スタンドまで立てて

じっと待ったのだ


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