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詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
1990年代

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その8 幸福   悪い癖


   幸福


今、肉体に故障はない


気にかかることもない


横になって

テレビを見ている

(ビールもうまかった)


足で

畳を撫ぜる


部屋の隅に

微笑を投げる




   悪い癖


 毎朝 プラットホームの同じ場所に立ち 同じ入口から乗ってくる娘


 ある日 彼女が隣の吊革を握った時 僕は素知らぬ顔で本を読み続けた そのくせ 時折り彼女の横顔に視線を当てた 視線に彼女が気づいていること 不快感は抱いていないこと を意識しながら


 折悪しく 次の次の駅から乗ってくる僕の知人が 彼女の背後からあいさつの声をかけた ふりむいて あいさつを返す僕の顔を 彼女ははっとしたように見た その目に微笑の一つでも与えればよかったものを 僕はただ知人だけを見て 彼女の頭越しに話を交わした 彼女は俯いた


 それからも 毎朝彼女を見た 痛みのようなものが僕の視線を弾いた


 その愛らしい服装に映える 表情の生色が 失われたように見えるのだ 離れて眺める僕の目には


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