表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
1990年代

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/295

その7 コンプレックス   唾を吐く   


   コンプレックス


コウモリは

音波を発し

その反射を捉えて

対象との距離を測る


人もまた周囲に

感性の波を発する


〈どうも嫌なやつだ

 脅かされる感じがする〉


コウモリは

対象との衝突を

巧みに回避する


〈こいつ、早く消えないかな〉


コウモリは安全に

どこまでも飛ぶ


〈衝突はしたくない

 といって怖気づいたような

 態度はとらないぞ〉


コウモリは天井からぶら下がり

ゆったりと揺れている


〈ああ、視界が奪われる

 どうしてこうこだわるんだ〉



   唾を吐く


威儀を正した一列の

厳めしい顔の先頭が

恭しく頭を垂れ

捧げ持つ

黄金の瓶

の中味は尿だ


絞りとってきた

人間の血で

今では赤いのかも知れぬ

犬の尿だ


瓶の口から立ちのぼる

臭気


尿を頭の上に

押し頂かねばならぬ人間の

倒錯した讃美


列んで垂れた頭の上を

粛々と進んでいく

犬の尿




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ