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詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
1990年代

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その3 夜の電車   山上で

   夜の電車


夜の電車は満員で

窓ガラスには

混んだ車内が映っていた


ナチスドイツが

ユダヤ人をガス室に送りこんだ列車は

超満員で

裸にされ

押しつけられた人々のなかには

現実を忘れるために

セックスをしている人もいたという


隣に

娘が立っていたが

背の低い彼女は

唇を結んで

顔をあげない

俯いた表情の固さは

他者との交渉を拒否している


ガス室に向かった列車の中には

こんな表情をした娘が

多かったに違いない




   山上で


思いのない人になりたい

かまわない人になりたい

かまわれない人になりたい


風のように

空気のように

人と人との間を

ぬけたい


摑まえようにも

手がかりのない

どんな罠にも

ひっかからない


滑空する

あの気持ちよさそうな

鳶のように


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